国際物流DX「運去哪」、越境EC物流サービスのCOPE買収で拡大需要取り込みへ

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国際物流DX「運去哪」、越境EC物流サービスのCOPE買収で拡大需要取り込みへ

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ワンストップ型の国際物流オンラインサービスプラットフォーム「運去哪(YunQuNa)」はこのほど、越境EC物流サービスの「COPE」を買収した。今回の買収で北米市場における運去哪の自営海外倉庫面積は180万平方フィート(約16万7000平方メートル)を超え、米国各地の海外倉庫数は合計14カ所に達し、北米市場の業容拡大と越境物流サプライチェーンの拡充が見込まれる。

運去哪は国際物流DX(デジタル・トランスフォーメーション)分野でシリーズDの資金調達を完了し、評価額がユニコーンクラス(10億ドル)に達した初めての中国企業だ。設立からおよそ8年の間に7回の資金調達を実施し、総額3億米ドル(約405億円)以上を調達した。シリーズD1での調達総額は1億5000万ドル(約203億円)と、国際物流のデジタルサービス分野における中国企業による調達額で最高記録を更新した。

北米で設立されたCOPEは、中大型商品を中心にマルチチャネルのフルフィルメント(受注から配送まで一連の業務)を提供する越境EC物流サービス企業だ。一般的に中大型商品の越境EC物流では、海外倉庫やトラック輸送面でサービスに対する要求が厳しいため、COPEは海外倉庫の大規模展開により全米の中大型商品販売市場の8割以上をカバーした。物流シンクタンク運聯智庫の「2021年越境EC物流TOP30」のデータによると、売上高は21億3000万元(約430億円)で9位にランクインしている。

それ以外にも、COPEはスマート配送スケジューリングや複数の配送ルート・運賃プランの組み合わせから最適なフルフィルメントサービスを提供する。同社の主な顧客はアマゾン、Wayfair(ウェイフェア)等のEC企業であり、こうした包括的なサービス体系は越境EC企業が求める総合的な物流サービスに合致している。

2020年の新型コロナ流行以降、中国の越境EC市場は拡大局面にある。EC企業による越境物流への要望は絶え間なく変化しており、越境ECと北米市場におけるCOPEの優位性は運去哪の事業拡張をバックアップする。運去哪は2015年にサービス開始後さまざまな方面に業務を拡大しており、越境EC物流事業への注力は今後の成長を後押しする。

運去哪の業務は、海運、空運、鉄道輸送、越境EC物流、バルク貨物輸送、トレーラー、税関申告、倉庫荷役、貨物保険および目的港の港湾サービスを含む国際物流ソリューションサービスだ。顧客には伝統的な輸出貿易企業のほか越境EC企業も含まれる。たとえば、同社の一連のデジタル化商品は中小の貿易会社に無償提供されており、貨物追跡プロセスを可視化して、企業のロジスティクス管理を支援する。

一方、越境EC物流は伝統的な貿易と比べ倉庫保管とラストマイル配送への要望が多く、需要も複雑だ。同分野の専門家は「DTC(direct-to-consumer、消費者との直接取引)モデルで運営する中小規模のブランドであっても、物流に対する要求の細かさはSKU(商品の最小管理単位)が多いブランドと変わらない」と語る。これは、EC企業側の越境EC物流モデルに対する姿勢が従来ほど均一でなくなり、要望に変化が出てきたことを意味する。

越境EC分野では、COPEは設立以来200人超のフルフィルメントチームを抱える。標準的なB2CドロップシッピングおよびB2B倉庫転送サービスに加えて、特別なカテゴリーやPO注文など個別のニーズに合わせたカスタマイズソリューションも提供する。今回の買収により、運去哪は越境ECサプライチェーンのラストマイルのサービス機能を補完できる。「倉庫と流通の一体化」ソリューションは、国際物流を宅配便並みに便利で効率的なサービスに変える可能性がある。運去哪は海運会社100社超および2,000社超の優良サプライヤーと安定した提携関係を維持し、北米、ラテンアメリカ、欧州、東南アジア等で高品質の海運および航空輸送のほか、多地域での倉庫保管・流通リソースを保有する。その輸送力は、川上の売り手側のニーズに変化が生じても対応が可能だ。

運去哪の創業者兼CEOの周詩豪氏は「越境ECは国際貿易にとって成長の見込める重要分野であり、COPEの買収は運去哪にとって非常に重要だ。COPEが自社開発の注文、倉庫保管、ロジスティクスITシステムを通じてEC企業のサプライチェーン管理コストを削減すると同時に、バックエンドサービスへ注力するという点でも運去哪のエンド・ツー・エンドの理念に一致する。今後、北米、ラテンアメリカ、欧州、東南アジア等のEC企業により良い越境物流サービス体験を提供するのを楽しみにしている」と述べている。

(翻訳・大沢みゆき)

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