浙江省で「グリーン水素」総合実証プロジェクトが稼働 養殖業に活用

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【新華社杭州7月11日】中国浙江省で8日、中国送電大手の国家電網傘下、国網浙江省電力の台州大陳島水素エネルギー総合利用実証プロジェクトが正式稼働した。同島での「グリーン水素」総合エネルギー実証プロジェクトは、島しょ部での再生可能エネルギーを利用した水素の製造と貯蔵、水素エネルギーの多元的結合と高効率利用を模索する上で、参考と普及が可能な実証モデルを提供する。

「グリーン水素」とは、再生可能エネルギーで水を分解して得られる水素を指し、製造過程で二酸化炭素(CO2)を排出しない。同プロジェクトは、大陳島の豊富な風力を利用し、プロトン交換膜技術による水の電気分解によってグリーン水素を製造する。水素の製造、貯蔵、燃料電池発電というコージェネレーション(熱電併給)システムを構築し、海島で作られたクリーンエネルギーの消費、送電網の電力潮流改善を効果的に促進する。

東中国海に位置する大陳島は、年平均風速(毎秒)6.8メートル、風力エネルギーによる年間有効発電時間7千時間と豊富な風力資源に恵まれている。現在は風力発電ユニットが34基設置されており、総設備容量は約27メガワットに上る。年平均6千万キロワット時余りの電力を発電できる。

国網浙江省電力台州供電の張馳(ちょう・ち)インターネット部副主任は「プロジェクト稼働後は、島の風力発電余剰電力を年間36万5千キロワット時消費し、7万3千標準立方メートルの水素を製造できる。これらの水素は約10万キロワット時の電力を発電し、CO2排出量を73トン削減する」と説明。プロジェクトは「大型充電器」に相当し、電力消費のピーク時や送電網の点検修理などの状況下で大陳島の緊急用電力を保障すると述べた。

水電解による水素製造では高純度の酸素が副産物として得られるが、これらの酸素は地元のフウセイ(スズキ目ニベ科の魚)養殖に活用される。また、燃料電池発電で発生した熱は、熱回収により島の民宿やホテルの給湯に利用される。将来的には、島を走る新エネルギー観光バスも水素発電電力による充電が可能になるという。

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