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商品レビューコミュニティとEコマースを融合させたソーシャル系EC「小紅書(RED)」が、新たなECプラットフォーム「小紅店」のアルファテストを行っていることがわかった。
現段階で小紅店が取り扱っているのは11商品(SKU)のみで、すべて食品。小紅書のレビューコミュニティと提携するブランドから、インスタント麺などを中心とした商品を集めている。今後の取扱品目は未定だが、まずはネット上で人気のスナックなどの手軽な商品を取扱って、迅速に売り上げの拡大を図るという。
一般消費者による商品レビューが主軸のソーシャル系ECとして、小紅書は商品情報をシェアしたユーザーにリベートを付与する形で新規ユーザーの獲得を行ってきた。ただ、小紅店の立ち上げではボーナス獲得資格のようなハードルは設けず、ユーザーは誰でも商品を購入することで優待が受けられる方式を採る。
小紅店では新規ユーザーを50人招待すると「人気ユーザー」に認定される。人気ユーザーになると、商品の購入に最大40%のキックバックが適用されたり、自身が紹介した商品をフォロワーが購入した場合、10~20%のコミッションが得られたりなどの特典がある。
中国の大多数のソーシャル系ECが共同購入をメインとするのに対し、小紅書の特徴はコミュニティへの投稿を通じて、ユーザーの購買意欲を刺激するコンテンツコミュニティという点だ。今回の小紅店の試みも、コンテンツ経由で収益化を図る新たなチャネルの一つで、コミュニティへのアクセス増や新規ユーザー獲得を狙うとともに、コミュニティコンテンツのコンバージョン率(CVR)向上につなげる。
この2年、小紅書はコンテンツの収益化を加速させてきた。
今年1月には、小売ブランドやMCN(マルチチャンネルネットワーク)、ブロガーなどに向けたマーケティング用オープンプラットフォームを始動させた。より多くのブランドを取り込み、さらに多くのインフルエンサーを育成するためだ。
翌2月には組織再編を行い、商業化路線をより明確にした。また、レビューコミュニティとECプラットフォームを連動させるとともに、自社EC「福利社」をアップグレードし、仕入れ、販売から、倉庫・物流、カスタマーサービスまでの全プロセスを統合した。小紅書としてはECプラットフォーム化を目指すという。
小紅書のユーザーはすでに2億人を超えた。このユーザー数も、積極的に収益化へまい進する基盤となっている。創業者の毛文超氏と瞿芳氏も社内向けメールで、「2019年はユーザー増と商業化の正念場となる」と表明した。小紅店は、ユーザー獲得やコンバージョン率の向上に一定の貢献をもたらすだろう。
この数年、EC業界の新潮流の一つとなった「ソーシャル系EC」には大手、中小に関わらず各社がこぞって参入し、やや飽和状態となっている。ユーザー投稿によるコンテンツをコミュニティに蓄積するモデルは模倣も容易で、差別化ポイントにはなりにくい。小紅店も例に漏れず、事業カテゴリーやスキームにおいて特別な強みがあるわけではない。この現状から脱するのは容易ではないだろう。
(翻訳・愛玉)
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