バイトダンスのEC事業、アリババと京東追撃へ物流体制強化。即日配達整備へ

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TikTok中国版「抖音(Douyin)」のEC事業「抖音電商(Douyin Dianshang)」はこのほど、同一市内は当日配達、周辺都市は翌日配達する「極速達」サービスをテストした。

ある業界関係者は「抖音電商の配送を請け負う物流会社は多いが、これらの物流会社が提供できるサービスは中国EC大手京東集団(JDドットコム)、や最大手のアリババにははるかに及ばず、ユーザーからの不満が多い。さらに、京東、アリババのEC事業拡大には物流サービスが大きく貢献している。EC事業と物流事業を自社で兼ね備えることの優位性を認識した抖音は、EC事業を成長させて間もなく自らの物流能力を構築し始めた」と話す。

物流はECにとって重要なインフラの一つだ。「京東物流(JD Logistics)」は京東の特色であり強みになっている。配達は消費者が使い勝手を評価する重要な一要素になっている。

バイトダンスが物流システムの構築を強化

抖音は2020年に物流事業を始めた。抖音に近い人物によると、抖音はEC事業を大きく成長させた後、上層部で物流システムの構築について話し合ったという。

ショートムービーアプリの抖音には毎日6億人がアクセスする。その背後には巨大な購買力が存在する。ユーザーによりよいショッピングサービスを体験してもらうため、抖音はEC事業全体の向上に努めている。物流システムの構築はその一環であり、重要な要素だ。

過去に抖音電商で働いていた李紅氏は「商品を効率よく消費者に届けることは、抖音電商が実践すべき重要事項だ。物流には大型設備が必要だが抖音電商にはまだ配送や宅配などのサービスを提供する能力がなく、現在は主に物流サービスのプラットフォームなどを運営している。抖音電商が物流システムを手がけるのは、EC事業のサプライチェーンを最適化して最終的に商品を確実に届けるためだ」と話す。

李氏はさらに「抖音電商の物流事業は主に抖音電商の持続的な成長を支え、推進していくためにある。物流チームのメンバーは主に上海、杭州、北京に配置されている」と述べた。

抖音は2020年、物流システムの構築を加速するため、物流大手の順豊速運(SFエクスプレス)、京東物流、アリババ傘下の菜鳥網絡(Cainiao Network)など物流企業の幹部や開発担当者のスカウトを開始した。その後抖音が2021年8月にサプライチェーン管理会社「星辰躍動供応鏈管理」を設立したことは、抖音が中国国内の物流システムをひとまず構築したことを示す。

抖音は今年初め、配達員が配達に際し電話連絡をしない、配達に来ない、サービスの態度が悪いなどの問題を受けて宅配会社と共同で宅配サービス「音尊達」を開始した。配達の不備が原因で発生する返品の比率を下げ、ユーザーのリピート購入率を一定程度向上させることが期待できる。抖音は続いて即日配達サービス極速達のテストを行った。同サービスはまだ全面的な展開はしていない。

情報筋によると、即日配達サービスは今後さらに対象品目を広げる予定だ。極速達が立ち上がったことで、抖音電商は生鮮食材購入やコミュニティ向け団体購入などに対応できるようになる。

EC事業の発展に伴い、物流は軽視できなくなっている。しかし、物流の構築は決して簡単ではない。確実で速やかな配送を目標に京東は自社で物流システムを構築したが、このために10年以上赤字が続いた。抖音がインフラを構築するには、時間、根気、そして資金が必要になる。

(翻訳・36Kr Japan編集部)

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