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Z世代向けゲームコミュニティとSNSのアプリ「Metaverse Z」を開発した「極世網絡科技」が、シリーズAで1000万ドル(約13億7000万円)を調達した。「Ventech」がリード・インベスターを、「微光創投(Welight Capital)」、既存株主の「和玉資本(MSA Capital)」、「創新工場(Sinovation Ventures)」、「青鋭創投(Edge Ventures)」がコ・インベスターを、「全速資本(Snaptrans Capital)」が単独で財務アドバイザーを務めた。
Metaverse Zは、自己表現を求め、グループへの帰属意識が強いZ世代向けにさまざまな趣味やシーンに応じたコミュニケーションの空間を提供する。ユーザーはネット上に仮想の自分を設定し、レコメンデーションやマッチングで友人をつくり、リアルタイムでボイスチャットをしたり、趣味のサークルやイベントを立ち上げたり参加したりすることができる。Metaverse ZはすでにエンジェルラウンドとプレシリーズAで1000万ドル(約13億7000万円)を調達している。
同アプリは現在多くのZ世代のユーザーを抱える。同社によると、月間アクティブユーザー(MAU)は70万人で、それらのユーザーは1日に50分以上ログインしているという。大部分のユーザーは自然増によるもので、ゲーム、音楽、コスメなどさまざまな趣味のサークルを立ち上げている。本社はシンガポールにあり、Metaverse Zのユーザーは現時点では中南米に集中している。今後は欧米、東南アジアなどに進出する計画だ。
ビジネスモデルでは、Metaverse Zは、海外進出する中国のゲームが増加傾向にあるがトラフィックに課題を抱えていることに注目し、プラットフォーム内のゲームサークルをべースとしたゲームコミュニティづくりやゲーム配信事業によりユーザーを増やすと同時に一定の割合を報酬として得ている。
「2022中国モバイルゲーム海外進出白書」によると、海外進出するゲームメーカー間では競争が激化し、国内のメーカーも海外ユーザーを増やす新たな方法を模索している。さらに、中国のゲームメーカーは東南アジア、南米など新興市場への進出を模索し、同市場への投資を一層強化している。
Metaverse Z創業者の王崟CEOは「Metaverse Zがゲームコミュニティを開放することで、ゲームの開発者とプレーヤーが対話をしながら考え方を共有しゲーム体験を向上させて、多くの海外プレーヤーにもプラットフォームを利用してもらいたいと考えている。コミュニティではプレーヤー同士が関係を築いたり他のユーザーからの情報で面白いゲームを見つけたり、他のユーザーとチームを作ったりすることができる。同時に Metaverse Zもゲーム開発者のバックエンドシステムの運営を強化してよりよいサービスを提供し、中国や海外のゲームメーカーと共に海外市場を開拓する計画だ」と話す。
王氏は、Metaverse Zはゲーム用コミュニケーションツール「Discord」などに比べ、ユーザー同士の関係が密で、ゲーム配信やプロモーションの機能に違いがあるとみている。このほか、Metaverse ZはNFT(非代替性トークン)事業を展開し、将来的にはユーザーがMetaverse Z上でデジタル資産の確認や取引ができるようにする計画だ。王氏は、デジタルネイティブであるZ世代はSNSやゲームに毎日多くの時間を費やし、デジタル資産の概念を受け入れられるが、多くのWeb3(ブロックチェーン技術を使用するサービス)関連のプロダクトにはユーザーが深く長期的に関わるシーンがまだ少なく、まさにSNSとゲームが欠けている分野だとみる。
Metaverse Zのチームは50人以上で、グーグル、マイクロソフト、中国IT大手テンセント(騰訊)などの出身者も抱える。今回の資金調達後は開発や運営、ユーザー獲得のための投資を続けるほか、中国の優れたゲームと提携し、海外ユーザー獲得やゲームコミュニティ運営で協力していきたいとしている。
(翻訳・36Kr Japan編集部)
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