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協働ロボットメーカー「JAKA Robotics(節卡機器人、以下JAKA)」がシリーズDで約10億元(約200億円)を調達した。シンガポールの政府系投資会社「テマセク・ホールディングス(淡馬錫控股)」、シンガポールが拠点の「True Light Investments」、「ソフトバンク・ビジョン・ファンド2(SVF2)」、サウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコ傘下のベンチャーキャピタル「Prosperity7 Ventures」が合同でリード・インベスターを務めた。
JAKA は2021年にシリーズCとC+を実施し、シリーズC単独で3億元(約60億円)を調達、業界の当時の過去最高額を記録した。同シリーズ後、JAKAは協働ロボット分野で資金調達の回数が最多で調達規模が最大の企業になった。
同社創業者の李明洋氏は、今回の資金調達を通して世界の販路やサービスネットワークの整備を急ぎ世界の顧客に寄り添うとともに、各地域や各産業の顧客の需要により適したロボット製品を提供したいとの考えを明らかにした。
大型の産業用ロボットと違い協働ロボットは小型で柔軟に配置でき安全性も高いため、不確定環境でも安全に人との直接のやり取りや接触が可能で、大型産業用ロボットのように独立した作業空間を必要としない。協働ロボットは柔軟性と知能が高く、多くの人と協働するシーンに適している。中国の協働ロボットの販売台数は2021年に1万5000台になり、前年比45.7%増加した。
JAKAは2014年に設立された協働ロボット分野の大手企業だ。同社製品はさまざまな業界に対応できる。製品ラインナップにはJAKA Zuシリーズ、All-in-oneコレボレーションシリーズ、Cシリーズ、MiniCoboシリーズなどがあり、今年2月には防塵・防水規格IP68を満たし苛酷な稼働環境でも使用できるJAKA Proシリーズを発表した。
JAKAのロボットは精度がプラスマイナス0.02mmと高い性能を誇り、JAKAはロボットの安定性においてMTBF(平均故障間隔)のテストを5万時間実施した業界初かつ唯一の企業だ。販売台数は今年上半期に前年同期比3倍以上に増加した。
JAKAはグラフィックスプログラミング、カメラを利用したセキュリティシステム、モーター・減速機・エンコーダーなどを一体化した関節用ユニット、衝突回避、高精度の関節のサーボ制御などの9つの技術のほか、経路計画、動力学的制御など6つのアルゴリズムを活用し、400件以上の発明特許を取得している。同社のロボットは一体化した関節を採用しているのでメンテナンスが簡単なうえプログラミング開発しやすく、生産ラインのスマート化に資する。
同社のロボットは運搬、スタッキング(積載)、機械加工、測定、ねじ止めなどに広く使用されている。また、高い精度が求められる3C(パソコン、通信機器、家電製品)のほか、半導体業界では導通検査、PCB(プリント基板)はんだ付け、ディスペンシング(塗液定量吐出)、基板加工、表面実装技術(SMT)などに利用され、企業のコスト削減、生産効率の向上を支援している。JAKAはトヨタ自動車のサプライヤーでもある。JAKAの取引先は3000社以上で、同社ロボットは1万台以上利用されている。
SVFマネジングパートナーの張凱勛(デニス・チャン)氏は「JAKAは中国の協働ロボット分野のリーディングカンパニーの1つで、製造業の生産効率向上のために尽力している。開発能力や製品の性能は高く、産業のさまざまなシーンで活用できるため、世界の多くのパートナーに評価されている。JAKAと提携し、柔軟で高知能のロボット時代のビジョンを描く手助けができることをうれしく思う」と話した。
(翻訳・36Kr Japan編集部)
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