テンセントの2018年Q4決算、売上高は予想を上回るもゲーム収入の比率は2015年以来の最低値

36Kr Japan | 最大級の中国テック・スタートアップ専門メディア

日本最大級の中国テック・スタートアップ専門メディア。日本経済新聞社とパートナーシップ提携。デジタル化で先行する中国の「今」から日本の未来を読み取ろう。

ビジネス注目記事

テンセントの2018年Q4決算、売上高は予想を上回るもゲーム収入の比率は2015年以来の最低値

原文はこちら

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録

続きを読む

業績が芳しくなかったテンセントだが、組織改革により新たな経営の方向が確立され、ゲームライセンスの審査も段階的に始まったことで、徐々に活気を取り戻している。

3月21日、香港株式市場の取引終了後にテンセントは2018年の第4四半期及び年間決算を発表した。2018年の年間収入は3126億9400万元(約5兆2000億円)で、前年比32%増。純利益は787億1900万元(約1兆3000億円)で、前年比10%増。非GAAPベースの純利益は774億6900万元(約1兆2800万円)で、前年比19%増だった。

第4四半期の売上高は前年比28%増、前期比5%増となる848億9600万元(約1兆4000万元)で、市場予想の833億8000万元(約1兆3800万円)を上回った。純利益は142億2900万元(約2360億円)で、前年比32%減、前期比39%減であり、市場予想の188億5000万元(3100億円)に届かなかった。非GAAPベースの純利益は197億3000万元(約3300億円)で、前年比13%増だった。

GAAPベースの売上高及び利益

ユーザデータでは、第4四半期におけるWeChat(微信)の月間アクティブユーザー数は中国国内版と海外版合わせて1兆976億人に達し、前年比11%増、前期比1.4%増だった。1日当たり7億5000万人以上のユーザーがモーメンツの投稿を読み、ミニプログラムユーザーによる1日当たりのアクセス数は前年比54%増だった。もう1つのメッセンジャーアプリであるQQのアクティブユーザー数は8071億人に達し、前年比3%増、前期比0.6%増だった。

同日、香港株式市場でのテンセント株の終値は1.89%安の一株363香港ドル(約5200円)、時価総額は約3兆5000万香港ドル(約50兆円)だった。

第4四半期の収入から見ると、ネットゲームとネット広告業務による付加価値サービス業務が依然として収入の大部分を占めている。同期の付加価値サービス収入は、前年比9%増の436億5100万元(約7200億元)だった。そのうちモバイルゲームは前年比12%増の190億元(約3150億円)だったが、パソコンゲームの方は前年比13%減の112億元(約1860億円)だった。

詳細を見ると、ネットゲームの収入は241億9900万元(約4000億円)でほぼ横ばいだった。これは主にスマートフォンのゲームとパソコンゲームによるものだ。総収入に占めるゲーム収入の比率は28.5%まで下落し、2015年以来の最低値となった。

また、ソーシャルネットワークの収入は25%増の194億5200万元(約3230億円)だった。主にライブ配信サービス及びビデオストリーミングメディアの販売などデジタルコンテンツの増収によるものだ。テンセントビデオの有料会員数は前年比58%増の8900万人で、デイリーアクティブユーザーのビデオ再生回数は前年比で40%以上増加した。

第4四半期の広告収入は170億3300万元(約2800億円)で、前年比38%増だった。広告収入が総収入に占める比率は20.06%で、20%以上の比率を占めたのはこれで2回目となる。そのうち、メディア広告の収入は前年比26%増の51億8700万元(約860億円)で、主にテンセントビデオとテンセントニュースによるものだ。この他にソーシャル及び他の広告収入は前年比44%増の118億4600万元(約2000億円)だった。同項目における増収は主にWeChatのモーメンツ、ミニプログラムおよびニュース情報サービスである「QQ看点」の広告の増収によるものだという。

同四半期における他のサービスによる売上高は前年比72%増の242億1200万元(約4000億円)で、同社の総収入に占める比率は28.52%に達している。主に同社のフィンテック、クラウドサービスおよび映画・テレビ制作事業の増収によるものだ。

決算データによると、2018年におけるテンセントの決済取引回数は一日平均で10億回以上であり、商用決済の収入は前年比2倍以上の増加だった。2018年第4四半期における一月当たりのアクティブな取引先数は前年比80%超増だった。ミニプログラムおよびQRコード決済などの機能により、食品および小売業界における支払浸透率は上昇を続けている。この他、2018年にテンセントクラウドの収入は前年比100%増の91億元(約1500億円)だった。これより前に、テンセントが発表した第3四半期のクラウド事業の収入は61億元(約1000億円)以上だったことを考えると、第4四半期だけで売上高が約30億元(約500億円)も増えたことになる。また、第4四半期の有料会員はが前年に比べ2倍に増えた。

テンセントの第4四半期におけるフリーキャッシュフローは286億2300万元(約4700億円)で、経営活動で発生したキャッシュ・フロー純額は332億2100万元(約5500億円)だった。
(翻訳・虎野)

原文はこちら

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録

関連記事はこちら

関連キーワード

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録