Uberやテンセントも試験導入 プログラマー個人の業務評価を定量化する「逸碼科技Merico」の試み

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Uberやテンセントも試験導入 プログラマー個人の業務評価を定量化する「逸碼科技Merico」の試み

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中国では人件費が上昇し続けているが、中でも技術職ともなると、採用後に多大な研修費用もかかるため、人材採用の際は適切な判断が求められる。

プログラマーの採用に当たっては、直接的な評価材料として、その人物が過去に携わってきたプロジェクトを確認することも多い。そのプロジェクトが持つ事業価値を見れば、その人物のレベルもある程度図れるからだ。ただ、こうした評価方法には以下のような問題点もある:

■民間企業での就業歴がある人材には適用できるが、教育機関や非営利のオープンソースプロジェクトなどで携わった経験については、評価ができない。
■プロジェクトチーム全体としての業績は評価できるが、そこに参加した個人の貢献度については評価できない。これは自身が関わっていないプロジェクトの業績をアピールする便乗行為の横行にもつながっている。

プログラマーにとって、個人の業績をアピールするものはレジュメや、その人の個人サイトに添付したソースコードリポジトリへのリンクになるだろう。ただし、ソフトウェア開発プラットフォームの「GitHub」などでは、プログラマー個人の成果はNOC(サブクラスの数)やLOC(ソースコードの行数)など単純な指標しか残されない。無論、ソースコードの作成量を見ただけでは実際の価値は判断できず、評価材料としては理にかなったものではない。

「逸碼科技Merico」はプログラマーの業績を定量化する企業だ。プログラム分析と機械学習技術を用いて、プログラマーが組んだソースコードを査定し、プロジェクト別、コンポーネント別、提出回別にわけて、個人の貢献度や貢献箇所などを割り出し、開発業務における個人のパフォーマンスを総合的に評価する。

貢献度の分析は、構造的価値(その他関数への再利用など、ソースコードがプログラムの構造自体の中で発揮する価値)と非構造的価値(バグの修復やアルゴリズムの修正など、プログラム全体に対するソースコードの貢献度)の両面から行う。

顧客はソースコードリポジトリのリンクをMericoのシステムに提出するだけで、自動的にプログラマー個人の貢献度を定量化する。

現在、Mericoの評価システムは主に2つのシーンで利用されている:

■企業内の開発チーム:透明かつ全面的なデータを提供することで、部署責任者やHR担当者による意思決定を支援し、より合理的な人事評価制度を実現する。業務上の貢献度や組織内のランキングは毎週更新され、プログラマー個人にもフィードバックされる。

■オープンソースコミュニティ:オープンソースコミュニティには、企業組織と同様の給与体系が当てはめられない。プロジェクトが生んだ利益を、開発・保守人員に合理的に分配することが難しいのだ。Mericoのシステムでは、各プログラマーの貢献度を持ち株比率にたとえ、コミュニティで獲得した賛助金や寄付金を分配する際の指標としている。

現段階では主に組織内の人材管理に用いられているMericoの評価システムだが、将来的には人材採用や人材マッチングに応用できる可能性もある。さらに、プログラミング関連の教育機関などに技術支援を行い、カリキュラムの共同編さんや受講生の習熟度判定にもつなげる。法人向け、個人向けの双方で事業を拡張し、ブランド力や信用を高めるとともに、サービス提供を通じて多くのデータを収集し、事業モデルの信頼性、妥当性を高めていくという。

創業者の任晶磊氏は、「個人の貢献度を客観的に定量化するシステムは、プログラマーが価値の創出を再認識し、より有意義な業務を生み出すことにつながる」と説明する。昨年10月に設立したばかりのMericoは、これまでにテンセントやUberなど複数の企業で製品が試験導入され、共同でシステムの改善を行っている。先月下旬にリリースされた1.0バージョン製品では、評価対象となるプログラマーの人数×報酬の1%を利用料として徴収していく予定だ。

Mericoの創業チームはマイクロソフトリサーチアジアなどの出身。メンバーは中国や欧米諸国に分布している。創業時にエンジェルラウンドでブロックチェーン・仮想通貨分野専門のVC「Polychain Capital」およびオープンソースソフトウェア分野専門のVC「OSS Capital」から110万ドル(約1億2000万円)の出資を受けている。
(翻訳・愛玉)

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