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ここ数年、国際物流の発展と越境ECの需要細分化にしたがい、国際航空貨物輸送が急速に発展している。「距離×単価」の計算だと貿易業者の負担する物流コストは約5000億元(約8兆2800億円)規模にものぼるが、年10%を超えるスピードで成長している。
しかし国際航空貨物輸送は国境を越えるため、輸送中のプロセスが非常に多い。航空機への搭載、空港での手続き、中継輸送、二国間での税関手続きなどだ。航路や航空会社は多いが、それらの情報は不透明だ。同時に、輸送価格も運航便、船腹数、輸送能力などの要素によって随時大きく変化する。そのため、業界内では「海鮮価格」と揶揄されることもあるくらいだ。
また、業界内の多くのフォワーダー(貨物利用運送事業者)は、航空会社や大手フォワーダーに対して、ダイレクトに船腹予約を行えない。これらの業者は、荷主から依頼を受けてから、その都度、電話で船腹の空きを調べて見積もりを行うことになる。これでは効率が悪く、価格も不透明だ。しかも、このようなフォワーダーは、船腹予約の失敗や貨物の紛失破損などのリスクに責任を負うことができず、輸送過程で派生する関連サービスを提供することもできない。
国際航空貨物の予約プラットフォーム「友艙(ycang56.com)」は、まさにこの業界の弱点に目をつけた会社だ。オンラインで補償つきの船腹予約サービスを提供する。友艙は現在のところ、国際航空貨物輸送を手がけるテック企業「翌飛鋭特電子商務(eFreight Technology)」傘下の独立事業だ。主に取引のバックマージンと事前に確保した船腹の販売で利益を上げている。
友艙の母体である翌飛鋭特は2014年に設立。国際航空貨物輸送分野で、航空会社、物流企業、荷主など多様なクライアントに対し、電子送り状、通関業務、貨物追跡などを一括してSaaSサービスで提供している。すでに世界で80社以上の航空会社に導入され、10あまりの主要港をカバーしている。「中外運(SINOTRANS CONTAINER LINES)」などの国際物流大手を含む500社以上の顧客を持ち、月あたりの受注は10万件を超えている。2016年には黒字転換済みだ。
以上のような、翌飛鋭特の擁する業界リソースを利用して、友艙はすでに300を超える大手フォワーダーと提携している。彼らから週単位で船腹や価格関連の最新データを受け取ると同時に、一定数の船腹を常時確保している。小規模フォワーダーは、友艙のサイトからオンラインで物流手配ができる。10分以内に受付が完了し、最長1時間で船腹が確保される。価格設定も透明で、仲介業者を通した場合の相場より10~15%安いという。
船腹予約の完了後、後続部分は翌飛鋭特が担う。例えば貨物の追跡、通関手続き代行などだ。友艙は北京と広州の港にオフラインの運営拠点を持ち、細やかなサービスを提供。運送の全過程でオンライン・オフラインの双方を駆使したサービスを完成させた。
翌飛鋭特創業者の史鳴飛氏によると、プラットフォームの価値はサービスのきめ細やかさで決まるという。そのため友艙はサービスの品質を非常に重視している。そこで友艙は船腹予約の失敗や貨物破損などのリスクをプラットフォームが負担することとした。輸送業はもともとネットワーク外部性が大きいビジネスであるため、友艙が翌飛鋭特のリソースとネットワークを利用できるという強みは大きい。
現在、友艙のチームは50人余り。史氏は、ヒューレット・パッカード、オラクル、SAPなどの世界的なIT企業でのキャリアと、11年にわたる国際物流業界での情報化ビジネスの経験を持つ。
友艙は2017年末に研究開発が始まり、一部のリピーター客に向けた内部テストを経て、今月に正式ローンチした。将来的には小口混載貨物などにも対応するという。友艙はすでに会社として独立する準備段階に入っており、資金調達の受け入れを開始した。今後はまずマーケティングに重点を置くという。
(翻訳:山口幸子)
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