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米アップルの自動運転に関する企業秘密を盗んだとして起訴されていた同社の元エンジニア、張暁浪被告が8月22日、司法取引に応じて罪を認めた。判決は11月14日に下される。カリフォルニア州のサンノゼ連邦地方裁判所が明らかにした。有罪が確定すれば、最大で禁固10年および罰金25万ドル(約3400万円)が科される可能性がある。
張被告は15年12月にアップルに入社し、同社が極秘で進めていた自動運転開発プロジェクト「Project Titan」にハードウエアエンジニアとして携わっていた。具体的には、自動運転車の回路基板の設計・テストやセンサーデータの分析を担当していたという。
張被告は18年5月、アップルを退職し、中国の新興電気自動車(EV)メーカー「小鵬汽車(Xpeng Motors)」のシリコンバレー事務所で同社への入社手続きをしていたことが分かっている。アップルは、退職直前の張被告の行動に疑わしい点があるとして、セキュリティ部門による調査を実施した。退職にあたって返還されたiPhone2台とノートパソコン1台を調査したところ、退職直前に同社の機密文書や関連情報が大量にダウンロードされていたことが判明した。
張被告は18年7月7日、中国に帰国するためサンノゼ空港の保安検査場を通過しようとしていたところを米連邦捜査局(FBI)の捜査官に逮捕された。カリフォルニア北部地区連邦地方裁判所は同月9日、張被告を企業秘密を盗んだ容疑で起訴した。
小鵬汽車は張被告が罪を認めたことについて、「8月23日の報道で4年余り前の事件に進展があったことを知った。当社は事件の具体的な状況を承知しておらず、米国の司法機関による捜査に介入したこともない。この件に関連してアップルと係争しているということもない。当社は事件とは無関係だ」とした上で、「当社は法律を厳守し、知的財産権を重視している。引き続き完全自社開発の路線を堅持していく」と表明した。
(36Kr Japan編集部)
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