建設機械サービスの「衆能聯合」、シリーズBで約56億円調達

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建設機械サービスの「衆能聯合」、シリーズBで約56億円調達

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建設機械サービスの「衆能聯合(ZHONGNENG UNITED)」はこのほど、シリーズBで5000万ドル(約55億9000万円)を調達したことを明らかにした。リード・インベスターは「源碼資本(SOURCE CODE CAPITAL)」、コ・インベスターはシリーズA出資者の「不惑創投(buhuo venture)」だった。

衆能聯合は2016年設立。建設機械サービスのB2B(企業間取引)企業で、主に高所作業用機器のリースを手がける。同社は米「JLG Industries」、「臨工重機(LGMG)」、仏「Haulotte Group」ら建設機械メーカーと戦略的提携を結んでおり、シザーリフト、直伸式ブームリフト、屈折式ブームリフト、スパイダーリフトなど、建設工事や工業、商業分野で活用できる多種多様な製品を取り扱う。また、1万台近くの建設機械を保有し、国内22省、33市に全国的な販売網、倉庫・物流、サービス提供体制を確立しており、取引実績は累計で1万社を超える。

同社は設立以来、テクノロジーによる業界のエンパワーメント、データを活用した経営を続けている。

■テクノロジーによる業界のエンパワーメント
デジタル化経営システム、顧客との取引のオンライン化、IoTによる機械のライフサイクル管理を通じ、従来型建設機械業界の高コスト・低効率な経営モデル脱却、顧客との相互作用性向上、業界のサービスの質とサプライチェーンの効率の改善を後押しする。
■データを活用した経営
業界・市場・顧客・建設工事・取引・機械などのビッグデータを元に、AI(人工知能)のアルゴリズムを用いて企業のヒト・モノ・カネに対する管理を最適化する。それにより、経営コストを引き下げ、標準化され再現可能なサービス能力を店舗が持てるようにすることで、衆能聯合の急成長を促すとともに、成長の過程における人材定着と効率向上を確保する。
■業界のサプライチェーンの再構築
サービス・倉庫・物流の再構築を通じ、倉庫配置、機械本体や部品の調達を最適化することでコストを抑制し、多様化する市場ニーズに応え、品質の安定性を確保する。

中国では近年、高所作業用機械業界が急成長しており、成長率は数年連続で35%を超えるという。それに伴い、高所作業用機械の最も重要なエンドユーザー――リース業者も急成長している。業界では先発優位性が徐々に出始めており、先陣を切った「浙江鼎力機械(Dingli)」、「星邦重工(SINOBOOM)」、JLG Industries、「吉尼(Genie)」ら4社の中でも、浙江鼎力機械はリース業者のカバー率が最も高く、50.5%に達する。

建設機械リース業界の成長余地は依然として大きい。中国工程機械工業協会リース分会の試算によると、2015年の建設機械リース業界の市場規模はおよそ5000億元(約8兆3400億円)だった。種類別の市場規模は上から順にショベル系掘削機(約1608億元(約2兆6800億円))、ローダー(約1450億元(約2兆4200億円))、タワークレーン(約750億元(1兆2500億円))となっている。高所作業用機械リースの市場規模は、国内の保有台数を約4万台、年間リース料を1台あたり3~4万元(約50~67万円)として計算すると、20億元(約330億円)弱となり、従来型建設機械のリース市場よりも大きな成長のポテンシャルがあるといえるだろう。
(翻訳・池田晃子)

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