アリババ傘下「Alimama」が「ターゲティングをしない」広告戦略を展開 新機能がアルファテスト段階へ

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アリババグループ傘下のデジタルマーケティングプラットフォーム「Alimama(阿里媽媽)」が提供するプロダクト「淘宝直通車」が、新たな機能の実装に向けてアルファテストを行っていることがわかった。淘宝直通車はターゲットプロモーションを行う商品で、それぞれのターゲットユーザーに向けて広告を検索上位に表示させる。

その淘宝直通車が実装する予定の新機能「銷量明星」は、アリババが従来から推進する「千人千面(ターゲット広告)」戦略を基盤としながら、あえてターゲットを細かく絞り込まず、広範囲にプロモーションを展開させるものだという。

淘宝直通車は、Alimamaが始動した2007年からリスティング広告事業を運営してきた。目下、リアルタイムビディング(RTB、広告枠のリアルタイム入札)形式でターゲットマーケティングを行っている。RTBは千人千面戦略の一環であり、ユーザー個人の関心や需要にマッチした広告を個別に表示させる。

反して、銷量明星は同一のキーワードで検索をかけた全ユーザーに対し、同じ広告が同じ位置で表示される仕組みだ。この過程で、ユーザーの個人データを加味し、ふるいにかけることはあえてしない。提供される広告枠は、バーティカル検索結果の上位11枠。出稿企業は検索キーワード別にオークション形式で決めていく。オークションの参加要件は厳しく、販売数で上位10位に入る出稿企業のみが表示枠最上位を争う。

従来型のターゲット広告は、その情報を必要とするユーザーにピンポイントで広告を配信する仕組みだが、だからこそ、新規顧客獲得や知名度向上の障壁となることもある。広告の露出範囲を限定することになるからだ。反して、銷量明星のような方式だと、広範囲なプラットフォーム利用者から新規顧客を獲得する可能性が生まれる。

今年1月に発表されたアリババグループの2019会計年度第3四半期決算報告では、同グループのEC事業「タオバオ(淘宝)」の月間アクティブユーザー(モバイル利用)は7億人に迫った。この7億人のユーザーを対象に銷量明星の戦略を展開すれば、新規客獲得の難易度は下がるという見立てだ。潜在的なターゲットユーザーを掘り起こすには、標的を絞り込んで釣り糸を垂れるのではなく、無作為に網を打った方が効果的だというロジックである。

現在、銷量明星のアルファテストに参加しているのはこうした需要を強く持つ一部の出稿企業だという。テストを経て機能を改善した後、さらに参加企業を拡大してアルファテストを重ねていくという。同プロジェクトは、立案からわずか数カ月間で内部テストまで漕ぎつけている。

Alimamaはアリババグループで大きな収益力のある事業であり、淘宝直通車もそのAlimama内で大きな収益を上げているプロダクトだ。確実なアクセス量をもたらす理想的な広告枠は、掲載料の引き上げや、収益力の向上につながるだろう。

なお、昨年11月、Alimamaの新総裁に張憶芬氏が着任した。過去にヤフーやクリテオでインターネット広告を手がけた人物で、後にアリババグループに加入。成果報酬型広告やタオバオの広告マーケティングなどを担当した。今回、9年ぶりにアリババへ復帰している。
(翻訳・愛玉)

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