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中国中央サイバーセキュリティー・情報化委員会弁公室(中央網信弁)系の刊行物「中国網信」は8月、電気自動車(EV)製造「テスラ」のイーロン・マスクCEOによる署名入り文章を掲載した。
マスク氏は冒頭でまず、顧客や人類のビジョンに関する自分の考えを中国の友人と共有でき大変嬉しく思うとし、次のように記した。
科学技術を最大限に活用し、人類のより良い未来を実現するためにできる限りのことをしたい。持続可能な未来の実現に貢献する全ての分野に投資する価値がある。テスラ、ブレイン・マシン・インターフェイス開発の「ニューラリンク」、航空宇宙企業の「スペースX」などを設立した目的は、未来の生活の質を向上させるため世界に対して実用的な価値を可能な限り生み出すことだ。テスラは世界の持続可能なエネルギーへの転換を目指し、ニューラリンクは医療・リハビリ事業に取り組み、スペースXは衛星コンステレーションを可能にする。
マスク氏はクリーンエネルギーが持続可能な発展の未来であり、持続可能なエネルギーの未来は生成、貯蔵、交通輸送の電動化という3つの分野に関わると考えている。
持続可能なエネルギーの生成では、太陽エネルギーが人類文明の主要なエネルギー源となる見込みだが、現在人類が太陽から得ているエネルギーはわずかなものにとどまっている。風力、水力、地熱、原子力でもエネルギーを補うことができる。
持続可能なエネルギーの貯蔵には、太陽や風力のエネルギーを貯蔵するために多くの電池パックが必要となる。昼夜の入れ替わりや晴れや曇りといった天気の変化を考えると、無形のエネルギーを大量の電池パックに貯蔵する必要がある。
交通輸送の電動化では、自動車、航空機、船舶などの交通手段が電動化され、世界経済は完全に持続可能なエネルギーで運営されることになる。
またマスク氏は、人類が持続可能なエネルギーの軌道に早く移行すればするほど、より多くの利益が得られると指摘した。クリーンなエネルギーが常に供給されるようになれば、炭素隔離や海水淡水化のコストが下がり、気候変動と水資源不足の問題も解決される。
自身も取り組む電気自動車事業について、世界的な電気自動車の普及にはテラワット時規模のエネルギー貯蔵用電池が必要になるとの考えを示した。試算によると、持続可能なエネルギーへの転換を実現するには約300テラワット時のエネルギー貯蔵用電池が必要だが、最大の難点はリチウム電池セルの大規模な生産にあり、それが持続可能なエネルギー経済の急速な発展を抑えているという。
マスク氏によると、太陽エネルギー、風力エネルギー、エネルギー貯蔵用電池、電気自動車を組み合わせることが世界的な持続可能な未来への移行を後押しする。このエネルギー革新事業に参入する企業が増えており、その中で中国企業は軽視できない存在になるだろう。
(翻訳・大谷晶洋)
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