著作権意識が向上 中国音楽配信サービスの有料化が進む

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中国音楽配信最大手のテンセント・ミュージック・エンターテインメント(TME)が、2019年第2四半期の決算報告を行った。売上高は前年同期比31%増の59億元(約880億円)で、うちSNS・エンターテインメント事業が434000万元(約640億円)、オンライン音楽サービス事業が156000万元(約230億円)を占めた。その中では、SNS・エンターテインメント事業の課金ユーザーは前年同期比16.8%増の1110万人、オンライン音楽サービス事業の課金ユーザー数は同33.0%増の3100万人だった。

TMEのユーザーには有料サービスを利用する傾向が強まっているとわかる。実は、TMEだけではなく、中国ネットユーザの全体が、有料コンテンツへの意識が向上している。

今年5月に、これまで音楽配信サービスにより、無料で聴いたりダウンロードすることができた中華圏で絶大な人気を誇るアーティスト周杰倫(ジェイ・チョウ)の音楽は、全楽曲が有料サービスへ移行することとなった。

中国の音楽ストリーミングアプリ「酷狗音楽(Kugou Music)」や「QQ音楽(QQ Music)」では、すでにジェイの全楽曲がVIP会員専用に変わっている。無料会員は60秒間しか聴くことができず、フル再生やダウンロードをするには有料会員になる必要がある。しかも、仮に1度料金を支払ってダウンロードしても、翌月以降、会費の支払いを止めれば、その曲は聴けなくなってしまう。また、別の音楽ストリーミングアプリ「網易雲音楽(NetEase Cloud Music)」では、ジェイ・チョウの楽曲をクリックすると「著作権使用許可がありません」と表示される。

中国で、ジェイは「音楽ストリーミングアプリのデイリーアクティブユーザー数を15%増やせる」と言われるほどの人気を誇る。全面的な有料化が進めば、中国の音楽配信の売り上げが爆発的に増加する契機となるだろう。

現在、中国では著作権保護も強化しており、2015年に、最も厳しい著作権法令と言える「インターネット音楽サービス事業者による授権されていない音楽コンテンツ配信の停止を命じる通知」が公布された。中国当局は音楽配信業者に対し、無許諾の音楽コンテンツを全て削除するよう求めた。この通知を受け、中国では音楽の著作権に対する意識が高まりつつある。

2018年、「網易雲音楽」は、著作権問題でジェイ及びジェイが所属する「JVR Music(杰威爾音楽)」全アーティストの楽曲の削除に追い込まれた。

海外と比べ、中国の有料音楽配信市場はまだ初期段階にある。しかし、著作権を取り巻く環境やユーザー意識という点から見れば、中国市場にはまだ巨大な潜在能力があると言える。

調査会社「易観(Analysis)」のシニアアナリスト殷実氏によれば、デジタル音楽コンテンツのユーザーは、コンテンツを購入する際、人気アーティストの楽曲やヒット曲を選ぶ傾向があるという。また、サービスの有料化は差別化や、より良いユーザー体験の提供にもつながる。(翻訳・桃紅柳緑)

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