WeChatミニプログラム系ECの売り上げに貢献 テンセントをSaaSで支援する「有賛」

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WeChatミニプログラム系ECの売り上げに貢献 テンセントをSaaSで支援する「有賛」

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「我々の昨年の売上高は1億ドル(約110億円)だったが、その数字をはるかに上回る収益を微信(WeChat)にもたらした」。

モバイルECの開発・運営支援を手がける「有賛(youzan.com)」が開催した春季新製品発表会後のインタビューで、運営元の「起碼科技(Qima Technologies)」創業者兼CEOの白鴉氏はこのように語った。

WeChatエコシステムの重要な構成要素として、モバイルコマース構築用SaaSを提供する有賛はテンセント(騰訊)との関係を強化している。4月初め、同社が香港証券取引所の公式サイトに発表したところによると、テンセントは、同社が全額出資する持ち株子会社「Poyang Lake Investment Limited」を通じて有賛の10億3700万株を新規購入した。投じられた金額は約6億香港ドル(約84億円)に上る。

「テンセントの出資後、事業にどんな変化があったか?」と尋ねられると、白氏は「戦略が合致した2社が共に歩み出しただけだ。今後、相互のコミュニケーションはさらに取りやすくなる」と述べた。

テンセントは産業インターネットを築く上でSaaS企業を必要としており、有賛の役割はEC事業者のビジネスをサポートすることだ。白氏は、「テンセントのモバイル決済サービスWeChatペイ(微信支付)やソーシャルアドなど小売関連ツールは木材のようなもので、事業者が必要としているのは戸棚や机だ。我々はいわば大工の役割を果たす」と語る。

しかし、売上高の規模から見ると、有賛を利用する事業者がWeChatエコシステムにもたらす利益は、比率としては決して高くない。2018年の有賛による流通総額(GMV)は330億元(約5300億円)だった。

しかし、有賛の優位性はプラットフォーム上の事業者が関わる小売業態の豊富さにある。有賛の2018年中期報告によると、同社の有料サービスのアクティブユーザーは10万社を超えており、その取扱商品はコスメや教育、ベビー&マタニティ用品、生鮮食品、メディアサービスなど数十品目に及ぶ。

有賛を利用する事業者の販売傾向は、EC系のWeChatミニプログラムの発展の方向性をある程度反映している。

WeChatベースのソーシャルECには大きな収益力がある。2018年、有賛関連のEC出店者の総受注数は2億3300万件で、そのうちの1億5900万件は共同購入サービスやタイムセールなどを経由して受注を獲得している。

過去1年間で、WeChat内ではミニプログラムへのリンクが続々と追加されており、メニューやマイページなどからショートカットを利用することができる。有賛の公式データによると、2018年のミニプログラムへのアクセスは29%がWeChatのチャットのメニュー画面を経由しており、アクセスへの主な入り口となっている。

商品カテゴリ別に見ると、有賛経由の出店業者はコスメ、日用雑貨、ホテル・観光、教育、デジタル家電などで取引額の成長率がいずれも約100%に達しており、ベビー&マタニティ用品も約70%を維持している。白氏によると、売り上げトップの事業者が新規客の取り込みを牽引しているのは明らかで、当社の顧客獲得手段は既存客による口コミが主となっている。

ECミニプログラムによる効果は、オフライン業態でも潜在力を発揮している。2018年、有賛利用業者が運営する実店舗で、有賛をきっかけとした販売件数は2458万9000件で、市内配送サービスの受注件数は1251万6000件だった。両者を合わせると全受注件数の15.9%を占める。

広告業務に関しては、引き続きテンセントのソーシャルアドと連携を深めており、事業者の成果報酬型広告をサポートしている。AIによるメニューの自動選択や自動投稿によって、クリエイティブマーケティングを支援する。ユーザーに購入やリピート利用を促し、ユーザーの定着率を高める好循環を作り出している。
(翻訳・虎野)

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