中古ブランド品市場が熱い中国 急成長のECプラットフォーム「紅布林(PLUM)」、1億ドルを調達

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中古ブランド品市場が熱い中国 急成長のECプラットフォーム「紅布林(PLUM)」、1億ドルを調達

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中国では消費市場が冷え込む中、中古品市場が変わらぬ勢いを見せている。

高級ブランドの中古品販売を手掛ける「紅布林(PLUM)」がこのほどシリーズCで1億ドル(約140億円)を調達した。今シリーズは中古品取引プラットフォーム「転転(Zhuanzhuan)」による戦略的投資だ。

紅布林は2017年設立。主に中古ブランド品を扱っており、かばんや靴、服、ジュエリー、腕時計など全ファッションカテゴリをカバーしている。「極光大数據(Aurora Mobile)」のデータによると、紅布林の月間アクティブユーザーは21年第4四半期、高級ブランド品に特化したEC(電子商取引)サイト「寺庫(SECOO)」を超え、ブランド品EC業界でトップに躍り出た。

紅布林と転転、2大プラットフォームの提携は資金面だけにとどまらない。今回の資金調達以前にも、紅布林の商品はすでに転転のアプリでも購入できるようになっており、転転が主に扱う3Cデジタル機器(パソコン、通信機器、家電製品)を補完する形になっている。このほか、紅布林も転転のアプリから中古品の回収を行っている。

転転集団の黄煒CEOによると、女性向けの中古ブランド品が中古品市場で最も大きな割合を占めている国は多いという。

今回の資金調達が今年の中古ブランド品業界では最高額となったことは、注目に値するだろう。紅布林の創業者でもある徐薇CEOによると、今回調達した資金はサービスの標準化、ユーザー体験の向上、商品の開発とデータバンクの構築に充てるという。

資金調達の背景には、紅布林の急速な成長がある。現時点で今年の売上高は前年同期の倍だ。

「合理的で環境に配慮した消費を」という理念が浸透し、中古車や中古家電、中古書籍など中古品市場は引き続き盛り上がっている。米調査会社「フロスト&サリバン」の業界リポートによると、中国の中古品取引市場規模は2015年には3000億元(約6兆円)だったが20年には1兆元(約20兆円)を超え、25年には3兆元(約60兆円)近くになる見込みだという。

発達したブランド品市場が背後にあるため、中古ブランド品は中古品市場の主力の一つとなっている。中古ブランド品は客単価、回転率、残価率が高いという特徴もある。米コンサルティング大手「ベイン・アンド・カンパニー」によると、2021年、世界のブランド品市場では中国が約21%のシェアを占め、25年には世界最大の市場になると見られている。現在、中国のブランド品市場のうち中古ブランド品が占める割合はわずか5%で、米国の30%、日本の28%と比べるとまだ成長の余地がある。

徐CEOは、中国で中古ブランド品市場が急成長した理由は3つあると考える。まずは消費者意識の変化だ。以前は新品しか買わなかった消費者も徐々に中古品を受け入れるようになってきている。次にモバイルインターネットの成長だ。取引のプロセスをオンライン化・簡略化した。そして業界の取引基準の構築だ。これによりユーザーが安心して取引できるようになった。

同じ商品でも1点ごとに状態が異なるため、理論上全ての中古品は「オンリーワン」だが、従来の客単価が低い商品が主流の「CtoC(消費者間取引)」では商品の鑑定などが困難だった。

「中古品で、客単価が比較的高く、カテゴリ分類が困難な商品はCtoCで扱うのが難しい」と徐CEOは話す。買い手と売り手双方が商品とサービスに対し高い期待を持っているため、利用者の信頼を勝ち取るためには個人間取引だけに頼るのではなく、プラットフォームの介入が必要とされるからだ。

紅布林が採用しているのは「CtoBtoC(委託販売)」「BtoBtoC(仲介企業を通す)」という方式だ。具体的には売り手側のユーザーが中古品を紅布林の商品処理センターに送る。そこで鑑定、評価、撮影、データの取り込みまで、標準化された一連のプロセスを経たあと、販売される。この処理により、全ての商品が「プラットフォームで標準化された商品」になるというわけだ。

価格設定システムの構築もプラットフォームごとの差別化のポイントとなる。新品と異なり、中古ファッションアイテムの価格設定は複雑だ。徐CEOによると、紅布林は1点ごとに商品の状態の程度を細かくランク付けし、プラットフォームのリアルタイムデータに基づいて価格設定できるシステムを構築しているという。

紅布林は近年、標準化サービスに力を入れており、商品の鑑定や商品情報、価格データベースなどフルフィルメントシステムの中でもカギとなる部分に重点的に投資している。目標は中国最大の中古ファッションアイテム取引データベースを作ることだ。徐CEOによると、商品が届いてから販売開始まで、現時点では1日半で処理が完了するようにしている(業界平均は約7日間)。紅布林の商品は30日間で95%が売れるという。

紅布林の売り手には個人もいれば、業者もいる。売り手は自分で価格設定することもプラットフォームに価格設定を任せることもできる。そのほか、紅布林は買い取り方式の商品回収事業も行っている。紅布林は売買どちらも行うユーザーの割合が高い。70%以上のユーザーは少なくとも一度以上、売買双方を行った経験があるという。

現在の若者はオリジナリティーを追及しており、ファッションアイテムの再利用は市場の新しいチャンスになると徐CEOは考えている。「美意識が多様化した今、好きなものは1人1人異なり、中古商品に手を広げることで多くのコーディネートの可能性が生まれる」

そのほか紅布林は2019年にライブコマース事業を開始した。データによると、今年行われたTikTok中国版「抖音(Douyin)」のセールイベント「818」期間中に、紅布林は抖音の中古ブランド業界の検索ランキングで首位になった。

取引規模の成長以外にも、経営の健全さは紅布林が近年注目している業務指標だ。徐CEOは、中古ブランド品市場はここ数年で成熟してきており、成長速度や規模よりも経営の健全度に注目すべきだという。同社はどのようにして利益を上げるかという点に重点を置いているが、これはプラットフォームが今後生き残るための基本ともなるだろう。

(翻訳・山口幸子)

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