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「ルックスの経済効果」が重視される中国で、今後美容医療は間違いなく巨大市場に成長する分野である。ビッグデータソリューションを提供するMobData研究院の調査によれば、2018年中国美容医療の市場規模は前年比23.3%増の2170億元(約3兆5000億円)、2020年には3150億元(約5兆円)になる見込みだという。
美容医療プラットフォームも活況を呈している。ここ4~5年の間に、消費者の情報格差を解消し、消費者と美容医療サービスを繋ぐため、「新氧(SoYoung)」、「更美」、「悦美」等の専門プラットフォームが続々と誕生し、多額の資金調達に成功している。最近では、アリババグループの「阿里健康(AliHealth)」やO2O大手の「美団点評(Meituan-Dianping)」等もこの分野に進出し、注目は高まる一方だ。
昨年杭州で創業したS2B2C(資金供給者→事業者→消費者)プラットフォーム「美倉(Meicang)」は、シードラウンドで1000万元(約1億6000万円)を調達し、美容医療業界初の分割払いサービスを提供している。
同社共同創業者の肖奇氏は、美容医療の潜在ニーズは極めて大きく、分割払いサービスも大きく期待されていると語る。「美倉」が目指すのは消費者にローンサービスを提供するのではなく、消費者金融業務の経営ライセンスを持っている大手銀行と消費者を結びつける総合的な仲介プラットフォームだ。「美倉」の短期的な目標は2つ。1つ目は、医療機関に対して、分割払いサービスの導入サポートと顧客獲得の窓口を提供すること。2つ目は、銀行向け人材の紹介サイト「51金融」が提供する人材マッチングサービスのように、消費者金融業者(大手銀行の消費者金融部門)を呼び込んで顧客に引き合わせることである。肖氏によれば、実際の医療シーンに基づいたこのモデルは分割払いの信頼性を高めることができるという。また、リアルタイムのデータ検索が可能なため、消費者金融業者はリスクマネジメントシステムを構築することができ、消費者データを収集してマーケティングに活用することもできる。
「美倉」アプリの開発は完了しており、改良が繰り返され、すでに配信されている。「美倉」のターゲットは大都市だけでなく、三~五級都市のネットタレント、特殊職業の従事者を含む幅広い範囲に設定している。収益は業者から手数料を得るモデルを採用しているが、消費者と美容医療機関がプラットフォームを介さず直接取引してしまうという事態を防ぐため、クーポン発行等「美倉」限定のサービスを提供していく予定だ。
肖氏は、医療機関等のルートから潜在顧客を掘り起こそうとしている。マーケティング面では、ECプラットフォーム「拼多多(Pinduoduo)」のように、利用料金に応じたポイント付与とSNS上でシェアすることで潜在顧客を取り込み、利用者を増やす見込みだ。ブランドが浸透し始めた頃に、改めてオンライン・オフライン広告を打つほか、適宜、資金調達も行っていくという。
共同創業者の肖氏は、美容医療分野で豊富な人脈をもつベテランマーケター。製品副責任者の陳文俊氏は、インターネット金融分野に長年従事していた。CTOの羅宏釧氏は、インターネット金融の技術責任者として10年以上の経験がある。現在「美倉」は100人近いチームスタッフを抱え、研究開発担当が40人、マーケティング担当が約30人いる。
写真:東方ICより引用
(翻訳・桃紅柳緑)
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