マインドフルネスの質高めるスマートデバイス、心拍や呼吸から心と体の状態分析

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マインドフルネスの質高めるスマートデバイス、心拍や呼吸から心と体の状態分析

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「フロー(英: flow)」という概念は著名な心理学者ミハイ・チクセントミハイが著書「フロー体験 喜びの現象学」で初めて提唱したものだ。同氏は各界の著名人への取材を通じて、最も幸せと感じるときに共通する心理状態に気づき、この幸福感を最も好ましい心理体験として「フロー」と名付けた。

中国発のスタートアップ企業「FLOWTIME(心流時刻)」は、瞑想用ヘッドバンド、スマートクッション、アプリによるデータ分析、データレポート作成、瞑想プログラムなど一連のスマート製品・サービスの提供を通じ、ユーザーをストレスから解放して心の健康状態を改善し、よりよい「フロー」体験を届けるようにすることを目指している。

米国では現在、14%程度の人が瞑想を日々の習慣にしているという。中国でも同様に、SNS上で「瞑想」という語の検索数が2022年に前年比で172%増加した。

FLOWTIMEは脳科学の研究を進めるなかで、神経可塑性の原理に基づき、瞑想は大脳の神経に対し実質的な変化を与えることができる数少ない方法のひとつであることを発見した。そこで19年、瞑想をしている際の脳波、心拍数、呼吸、調和度、注意力、リラックス度、ストレスなどの変化をリアルタイムで記録する、世界で最小最軽量の瞑想ヘッドバンドを開発した。フィットネス愛好家にとってのスマートバンドのように、瞑想ヘッドバンドは瞑想愛好家が自分の瞑想の状態をより理解するのに役立ち、データをとることで瞑想を習慣にする動機づけにもなる。この製品は欧米の瞑想愛好家の間で好評を得ているという。

画像提供:FLOWTIME

海外での成功に続き、FLOWTIMEは中国国内に目を向けた。国内外の瞑想関連商品の多くは音声プログラムのアプリだが、FLOWTIMEの製品はバイオフィードバック(心拍などをセンサーで検出し感知できる形態に変換して当人に自覚させる)方式のデバイス、瞑想プログラム、データ収集・分析、可視化したレポートを組み合わせたものになっている。開発されたスマートクッションとヘッドバンドは中国でも同時に発売される予定だ。

スマートクッションはヘッドバンドと違って身に着ける必要がなく、身体への負担を出来る限り減らした。ユーザーがクッションに座るとセンサーがデータを収集、スマホ画面上にリアルタイムで表示される。同社のアルゴリズムによって、心拍数、心臓の1拍ごとの拍動の長さの変化を示す心拍変動(HRV)、呼吸数、呼吸波、ストレスレベルなどユーザーの身体や感情に関わるデータが集められる。

画像提供:FLOWTIME

FLOWTIMEアプリのプログラムに合わせて瞑想してもいいし、他のプラットフォームの瞑想用音声を利用しても同じように瞑想データは収集される。アプリはリアルタイムで瞑想時のデータを計測するだけでなく、可視化して表示することもできる。毎日の目標を決めることで瞑想の習慣づけにつながる。

画像提供:FLOWTIME

開発チームは瞑想を実践する組織や大学教授などとも協力している。現在同社は、大理棄碗瞑想センターや西交利物浦大瞑想センターなどのほか、清華大学、北京大学、浙江大学、中国科学院心理研究所など有名機関の心理学専門家と提携し、共同で瞑想文化と製品の普及を進める。

今後、中国で心の自由がいっそう注目されるようになるだろう。瞑想はそれを手に入れる方法のひとつなのだ。

(翻訳・36Kr Japan編集部)

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