経皮吸収型製剤に世界が注目 市場争奪戦迫る

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経皮吸収型製剤に世界が注目 市場争奪戦迫る

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医薬品の世界で、経皮吸収型製剤に注目が集まっている。「皮膚の表面に貼る」という投薬方法は、経口、注射に続く第3の経路となっている。

注目されている方法は経皮薬物送達システム(TDDS)と呼ばれるものだ。薬を皮膚からほぼ一定の速度で体内に吸収、循環させることで、全身または局部を治療するものだ。投与経路の一種であり、多くの診療科で治療に用いることができる。

経皮吸収型製剤
左:米マイランの製品、中央:米Prometheon Pharmaのニードルフリーインスリンパッチ、右:英Medherantの製品

近年、経皮吸収型製剤の販売額の伸びは、経口製剤、注射剤などその他投与剤形の製剤を大きく上回っている。政府系シンクタンク「前瞻産業研究院」によると、今後10年、経皮吸収型製剤は2桁の年平均成長率を維持し、医薬品工業全体の平均成長率をはるかに上回るという。アイルランドの市場調査会社「Research and Markets」は経皮吸収型製剤の世界市場規模を2025年に900億ドル(約9兆8100億円)、年平均成長率を約11.6%と予測している。

現在、TDDS技術をリードしているのは米国、日本、欧州だ。市場規模が最も大きいのは米国(約2800億円)と日本(約2800億円)。次がドイツ(約400億円)で、英国、スペイン、イタリア、フランス、カナダ、オーストラリアが僅差で続く。

一方の中国では、技術面の参入障壁が高く、これを手がける自国企業が少ないことや、海外からの輸入も多くないことから、、経皮吸収型製剤の普及は進んでいない。

出典:前瞻産業研究院

経皮吸収型製剤は誕生からまだ40数年しか経っておらず、技術の進歩もまだ初期段階にあることから、世界的に見ても参入企業は比較的少ない。現在、世界で販売されている経皮吸収型製剤はわずか20数種で、80数種が開発中だ。現状を踏まえ、市場の先行きを以下の通り予測する。

■今後5年、中国市場では、経皮吸収型製剤は成長基調が続き、市場規模は100億元(約1600億円)を超える可能性がある。中国市場では新薬開発やTDDS技術の奨励策、高齢化、医療・ヘルスケアに関する消費支出の増加などが好材料となる。

■経皮吸収型製剤市場は多額の投資を必要とする。参入企業は十分な実力のある大手製薬企業、または資金調達に成功し、順調に成長しているスタートアップの2種類に大別でき、その多くが開発・製造・販売能力を備えている。

■中国の参入企業が成長するには、現在のジェネリック医薬品を中心とする開発モデルを改め、自身の技術力を高めることが不可欠。

■経皮吸収型製剤市場の成長阻害要因は、適応症が限られていることだ。将来的には技術が進歩して市場規模が大きく膨らむことが見込まれる。
(翻訳・池田晃子)

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