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オートトランスフォームロボットを手がける中国のブランド「楽森機器人(Robosen)」が、シリーズAで1億元(約16億円)を調達した。リードインベスターは「招銀国際(CMB INTERNATIONAL)」。人工知能関連中国最大手「iFlytek(科大訊飛)」で共同CEOを務める胡郁氏も出資に参加した。同社はこれまでにも「達晨創投(FORTUNE CAPITAL)」、「分享投資(SHARE CAPITAL)」などの大手VCやiFlytekから出資を受けている。
同社の前身「森漢智能」は2008年に創業し、コンシューマー向けロボットを製造する各国メーカーのODM(委託者ブランド生産)を手がけてきた。今年、Robosenブランドとして初の製品となるオートトランスフォームロボット「T9」を発表した。
学習ロボットやロボット玩具は、コンシューマーロボット市場では重要な存在だ。Robosenはまず同分野でヒット商品を仕掛け、ブランディングとチャネル構築を目指す。同分野には、3000万台を売り上げた米「WowWee」製の「Robosaien(ロボサピアン)」や、1000万台を売った米「Sphero」製の「スター・ウォーズ BB8」などのヒット商品が存在する。
STEM教育に適した操作性、プログラミング方式
Robosenが発表したT9のようなオートトランスフォームロボットは、技術面での難易度が比較的高く、まだ市場にはほとんど存在しない。この点は、機能面でもエンターテイメント性でも同社の差別化ポイントとなっている。
T9は全身22カ所のサーボモーターやiFlytekの音声認識技術を搭載し、音声操作によってヒューマノイドと車型に自動変形する。音声やスマホアプリで簡単に操作でき、100万種類以上の動作をプログラミングできる。プログラミング方式は、ビジュアルプログラミング(Scratch)、3Dプログラミング、手動プログラミングに対応しており、エンターテイメント用とプログラミング学習用の双方で利用できる。
技術、コスト、量産化への壁
Robosenは技術力の安定、コストコントロール、迅速な事業化を重視している。
技術面では、サイズの異なるロボットに対応できる関節の開発が一つの山となった。現在では高さ20センチ~2.5メートルのロボットに対応できるという。また、チップ、素材、中央制御アルゴリズム、電気回路、アプリ、PC用ソフトなど、ソフト面・ハード面を包括する総合技術がもう一つの山だった。最終的には、複数の関節を持つロボットを制御するアルゴリズムによって、T9はDOF(自由度)20を実現している。
コスト面では、従来は輸入に頼っていた多くの中核部品を自社生産に切り替え、生産コストの削減を図った。中でも、最重要部品のサーボモーターは生産費の半分以上を占めるが、自社製チップの採用によっておよそ10分の1にまで費用を圧縮した。すでにモジュールの99%は自社製でまかなっており、量産化への道筋もついた。今後は小売、医療、家庭向けサービスなど、多分野への応用も視野に入れる。
教育用、玩具用のロボット市場では前出のWooWee、Spheroをはじめ、レゴ、ソニー、バンダイなど多くのプレイヤーがしのぎを削る。中国国内でも「優必選(UBTECH)」、「Makeblock」「能力風暴(Abilix)」などが同市場へ参入しているが、二足歩行ロボットを製造できるのは、現段階では日米の一部のメーカーにとどまっている。また、UBTECHは、スター・ウォーズやアイアンマンなど人気コンテンツとのコラボレーションを積極的に進めている。
(翻訳・愛玉)
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