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中国の燃料電池システムメーカー「北京億華通科技(Beijing SinoHytec)」(以下、億華通)が1月12日、香港証券取引所に上場し、公開価格60香港ドル(約1014円)で9億8300万香港ドル(約166億円)を調達した。初値と終値は公開価格と同じで、時価総額は約70億香港ドル(約1180億円)となった。同社は2020年8月、上海証券取引所のハイテク企業向け市場「科創板」に上場し、中国の水素エネルギー業界初の上場企業となっていた。
中国の調査会社「灼識咨詢(CIC)」のリポートによると、億華通は21年、自動車向け燃料電池システムで中国シェアを27.8%とし、業界1位となった。また、同社の燃料電池システムは22年6月末時点で、中国工業情報化部の新エネルギー車目録に掲載されている燃料電池車80車種に搭載されており、搭載車種数でも業界1位となっている。
億華通は中国水素エネルギー業界のリーディングカンパニーではあるものの、業績好調とは言い難い。同社の売上高は19年が5億5400万元(約108億円)、20年が5億7200万元(約112億円)、21年が6億2900万元(約123億円)、各期間の損益は19年が4589万9000元(約9億円)の黒字、20年が976万2000元(約1億9000万円)の赤字、21年が1億8500万元(約36億円)の赤字だった。22年上半期の売上高は2億6900万元(約52億円)、損益は8155万6000元(約16億円)の赤字だった。
億華通の赤字状態はしばらく続きそうだ。同社は目論見書の中で、「中国の燃料電池車産業が依然として初期段階にあることを考慮すると、少なくとも25年までは赤字が計上される見込みだ」としている。
*23年1月12日のレート(1香港ドル=約16.9円、1元=約19.5円)で計算しています。
(36Kr Japan編集部)
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