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電気自動車(EV)米大手テスラのこの1年間は波乱に満ちていた。中国ではブレーキが利かなかったことが原因とみられる死亡事故が発生した。突然大規模なリコールが行われたり、度重なる値下げにより多くのオーナーが補償を求める騒ぎとなったりしたほか、上海ギガファクトリーでの操業停止に加え株価も暴落した。しかし、それでもなおテスラの爆発的な成長はとどまるところを知らない。
中国乗用車市場信息聯席会(CPCA)が公表した最新のデータによると、2022年にテスラは前年比40%増となる131万台のEVを販売し、世界EV販売トップの座を勝ち取った。それでも、コロナ禍の影響を受け、目標としていた150万台には届かなかった。
年間を通じてみると10-12月期が特に好調で、44万台を生産、納車台数は過去最高の40万5000台に達した。
モデル別にみると、特に人気の高い2モデル、「Model 3」と「Model Y」が主力となって販売をけん引したかたちで、年間の生産台数は129万8000台、納車台数は124万7000台だった。
テスラの販売拡大の勢いは目覚ましい。2012年から22年にかけて徐々に売上を伸ばしており、この数年間における新エネルギー車市場の発展の勢いを裏付けている。
中国での販売が3分の1を占めるまでに
テスラは22年に中国で43万9770台を販売した。前年比で37.1%増加し、中国市場での販売台数は同社の全販売台数の3分の1近くとなった。
そのうちModel 3は12万4456台と、前年比で17.5%減少した。発売から数年が経過し古いモデルとなったModel 3の競争力は弱まりつつあり、売上への貢献度は急速に低下している。テスラもこれを認識しており、すでにモデルチェンジを計画していると外国メディアが報じている。
一方Model Yは年間で31万5314台を販売、前年比で85.6%の増加となり、販売量全体を押し上げる立役者となった。今後数年でテスラの主力モデルになるかもしれない。
テスラの世界全体の販売成績は中国市場を抜きに考えることはできない。さらに言うなら、上海ギガファクトリー抜きに語ることはできない。上海ギガファクトリーはテスラの世界中の工場のうち最大の生産能力を誇り、世界最大の輸出センターでもある。中国における22年の販売台数は幾度か低迷したものの、21年に比べ明らかに増加傾向にある。
22年に最も状況が厳しかったのは4月で、販売台数はわずか1512台にとどまった。直接的な原因は上海でのコロナ禍で、3月以降上海ギガファクトリーは幾度も操業中止に追い込まれ、4月19日からようやく徐々に生産が回復していった。テスラは直営販売方式をとっていたため、生産量の不足はそのまま販売台数にも影響した。
7月の販売台数の大幅な落ち込みも生産能力と密接に関係している。上海ギガファクトリーでは7月に生産ラインの改造に着手、全てが完了したのは8月7日だ。生産能力の増強後、上海ギガファクトリーはテスラの工場のうち世界最大規模のギガファクトリーとなり、年産75万台を超えることが4-6月期の決算報告で紹介されている。
上海ギガファクトリーの生産能力増強に続き、テスラは販売拡大のために10月以降幾度も値下げを実施した。今月6日にもさらに価格を引き下げ、この値下げから3日間で3万台以上を受注したと一部メディアが報じている。価格が下がればテスラにはまだ強い競争力があることを実証したかたちだ。
来年サプライチェーンが安定してくれば、価格は現在のレベルを維持するだろう。テスラはやはり中国の新エネルギー車市場において無視できない存在ということだ。
作者:車東西(WeChat ID:chedongxi)
(翻訳・36Kr Japan編集部)
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