シャオミの「暗黒時代」は終わったのか?(下)

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IoT事業が好調

過去4四半期、シャオミの3大事業の中では、IoT事業の成長率が最も高かった。今期も例外ではなく、決算書の中でIoT事業の業績が大きく取り上げられている。スマートTVの世界出荷台数は、前年同期比99.9%増の260万台、シャオミのIoTプラットフォームと接続するデバイス(スマホ・ノートPCを除く)は1億7100万個に達し、スマートTV「Mi TV」と「Mi Box」のMAU(月間利用者数)は2070万人、「Mi Home」アプリのMAUは2610万人、スマートスピーカーの累計出荷台数は1000万台を突破した。

シャオミの組織再編が進むにつれて、IoT事業はすでにスマホ事業と肩を並べる主力事業となっている。

5月17日、新たな組織再編によって、「大家電事業部」が設立された。シャオミの共同創立者で、テレビ事業の元責任者でもあった王川氏がパイオニアとして、今後はテレビを除くエアコン、冷蔵庫、洗濯機等の大型家電分野を開拓していく。

大型家電事業もこれまでのスマホ事業と同様、コスパの高さで勝負する構えだ。しかし、以前から指摘されているように、シャオミは低価格で市場に切り込み、優位性を活かして急速にシェアを拡大することには長けているが、ハイエンド市場で確固たる地位を築くための革新的技術力が不足している。

それはまだ根本的な解決には至っていないが、シャオミは一連の低価格テレビを売り出した後、4月に定価6999元(約11万2000円)の薄型壁掛テレビを発売した。このフラッグシップモデルは、市場に受け入れられるのだろうか。

■ 今後の展望:シャオミは「失速」から抜け出せたのか

2018年、シャオミの総売上高は徐々に「失速」していった。2019年第1四半期はやや持ち直すことができたが、第2四半期にはなお多くの課題が待ち受ける。

■ スマホ事業は他社からの猛追をかわせるか

今期、シャオミは先発優位性を生かしてスマホ市場のシェアを伸ばすことができたが、第2四半期は今までにない他社の猛追を受けるだろう。

また、スマホ市場の競争が激化する中、5月末に発売されたRedmiフラッグシップモデル「Redmi K20」や発売日未定の「Xiaomi Mi MIX4」といった新型スマホは、価格と技術の両面において、ライバルから大きな競争圧力がかかる。一方、シャオミは美顔アプリで有名な「美図(Meitu)」のスマホ事業を傘下に収めており、第2四半期に女性ユーザーに人気の「美図」スマホを発売できるかどうかが、注目される。

■ 大型家電事業が果たす役割とは

来たる第2四半期はエアコンの売り上げが伸びる時期でもあり、決算発表が待ち遠しい。これまでアセットライト戦略で成功を収めてきたシャオミが、ハイアール(海爾)や美的(Midea)といった大手家電メーカーと、大型家電分野でどのように競合するのかにも注目したい。

■ インターネットサービス事業はますます多様化する

広告とコンテンツという二重の収入が見込めるスマートTVは、増収の機会をもたらす可能性を秘めている分野である。また、シャオミはすでに海外で多くのスマホユーザーを獲得しており、今後はさらにMi Pay、Mi Video、Mi Music等のアプリを通じて、インターネットサービス分野での売り上げ拡大が見込まれる。

高い利益率が望める金融サービス事業では、シャオミは5月に香港金融管理局からインターネット専業銀行にあたる仮想銀行の免許を取得した。しかしこれとほぼ同時期に、顧客のローン返済記録を誤って処理したというシステムトラブルが発生してしまい、次期決算への影響が懸念される。

「暗黒時代」は本当に終わったのか

結論から言うと、シャオミは今なお構造改革の段階にある。2019年第1四半期、シャオミは海外スマホ市場において、型落ち端末のセールと製品戦略の調整の効果により、スマホの価格も出荷台数も下がる一方だった「暗黒時代」から抜け出したが、競争が激化する中国スマホ市場においても安定した出荷台数を維持しながら、新たなIoT分野で突破口を見出すことはできるだろうか。

今後、スマホの値上げと出荷台数の維持または増加を両立できるかどうかが、非常に重要な課題となる。このため、シャオミの「暗黒時代」が終わったか否かの最終的な判断は、次の決算発表を待たなければならない。
(翻訳・桃紅柳緑)

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