ラゴスの交通はもう救いようがない?アフリカ最大都市で繰り広げるライドシェア業の市場争い

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アフリカ大陸の最大都市ラゴスでは、自動車以外のライドシェアが登場したようだ。

ラゴスはアフリカ大陸で交通状況が最も劣悪な都市の1つだ。過去1年半において、バイクのライドシェアを手掛けるスタートアップ企業が多く誕生した。これらの企業はテクノロジーを駆使し、ユーザーと市場シェアの獲得のため激しい争いを繰り広げている。

この街で “okadas”と呼ばれるバイクタクシーは多くのアフリカの都市に昔から存在していた。その他のアフリカの都市では boda boda や motoと呼ばれているこれらのサービスは、乗客の安全を顧みない、危険な運転で有名だった。後発のバイクのライドシェア企業は様々な乗車ルールを設けることで、より安全なサービスの提供を目指している。例えば、走行時は乗客1名しか乗せないこと、ヘルメットの着用、交通規則を順守するための研修ヘの参加などを運転手やライダーに要求している。

今のところ、この安全重視の理念は確かに顧客にとって大きな魅力となっている。2人のMIT(マサチューセッツ工科大学)卒業生が起業したライドシェア企業「Max.ng」 は、すでに1000名以上のライダーと契約しており、のべ85万回の行程を走っている。また主な競争相手である「Gokada」もすでに1000人以上のバイク運転手を確保したとしている。

東アフリカでは、多くのスタートアップのバイクライドシェア企業が、Uberのバイクサービス「uberBODA」と、ケニア、ウガンダをカバーする「SafeBoda」 から市場シェアを奪おうと競い合っている。2021年にこの分野の市場規模は90億米ドル(約9774億円)を超えると見込まれ、ナイジェリアもアフリカ三大市場の一つとなりつつある。

ビジネスモデルと物流の開拓

Uber や Taxify 等のタクシーの配車サービスと同様に、バイクのライドシェアサービス業者も運転手と乗客のリソースを奪い合う。しかし、後発組のGokadaと Max.ng は、運転手から徴収するコミッションの値下げ合戦ではなく、運転手に対するバイクのリースによってそれぞれの運転手メンバーを確保している。契約上、ライダーたちは最終的に、各自リースを受けていたバイクを所有することができるのだが、それにはバイクの代金を払い終えるまで、毎日固定料金(Gokadaの場合は8ドル(約868円))を支払い続けることが必要である。

乗客を引き付けるため、ライドシェアのスタートアップ企業は安全記録と運行基準により注意を払っている。しかし、地元で独立して経営している Okadas の運転手には交通ルールを守ろうという概念がなく、事故が頻発して顰蹙を買っている。これが両者の最大の違いだ。

バイクは自動車よりも小回りが効く便利な乗り物だ。このアドバンテージは旅客輸送以外の物流運送業務にも活かされている。インターネットを利用して販売と営業の範囲を拡大している企業にとって、物流配送はすでにビジネスを発展させるキーポイントとなっている。そのためバイク便と宅配サービスはラゴスの至る所で見られる。

企業の生き残り VS 行政管理

ナイジェリアのビジネス中心地として、ラゴス州は行政管理が最も厳しい州かもしれない。スタートアップ企業にしろ、老舗企業にしろ、ともすると行政機構と衝突しがちだ。

SafeBoda のナイジェリア責任者Duroshola氏によれば、ラゴスの交通はもう救いようがないところに来ている。人口は増え続けているが、ここの道路インフラは設計時にそのことが考慮されていない。そのため、バイクはこの州の交通システムの一部となっているという。今後について、Duroshola氏は「法律の規定が全く無いこの業界にルールを作ることだ」と語っている。
(翻訳・桃紅柳緑)

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