化粧品成分のウィキペディア、「美麗修行(Beauty Evolution)」はシリーズAで数億円を調達

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化粧品の成分検索アプリ「美麗修行(Beauty Evolution)」がこのほど、シリーズAで青松基金(qingsongfund)から千万元(数億円)レベルの資金を調達したことが明らかになった。

2016年に創業した美麗修行は、「成分党(化粧品の成分を詳しく調べるユーザー)」の台頭をきっかけに化粧品・パーソナルケア分野に参入した。化粧品の成分+ユーザーの肌質に基づいた購入アドバイザリープラットフォームと位置付けているこのサービスは、同社のデータによれば、累積1000万人のユーザーが利用し、100万人以上のWeChatファンを擁しているという。40%以上のユーザーはリピートユーザーコミュニティのコミュニケーションによって生じたものだ。

ユーザー数の拡大に伴い、美麗修行プラットフォーム上の検索内容はスキンケアとメイクアップの2大ジャンルにとどまらず、消費シーンの多様化によって、ハンドソープ、ボディーシャンプー、洗剤といった日用品ジャンルまで拡大すると見られている。

『女性生活藍皮書(中国女性生活状況報告)』の統計によれば、中国女性は年間1人当たり、平均3500元(約5万5000円)のスキンケア商品を消費し、一級都市では1万元(約15万6000円)にも上る。また80%の消費者は肌に合わないスキンケア商品を購入した経験があり、40%の消費者は商品の安全性について不安がある。2015年、米国における消費者調査では、59%の消費者が日用品を購入する前に成分表をチェックしていることが分かっている。中国でも消費者がスキンケア商品の成分に注目し、商品の安全性及び自身の肌質との適合性を検討するようになってきている。

約3年の時間をかけて50万品目の全成分表と1万種類の基礎成分を集めた美麗修行は中国国内のスキンケア分野において、商品データが最も多く蓄積しているアプリと言える。米国アマゾン、ドラッグストアおよびアイハーブ(自然系サプリメント、ミネラルコスメなど自然派志向の商品を取り扱うストア)等のECサイトでは、化粧品成分表は「必須情報」として消費者に公開されている。美麗修行はこのルートから商品の全成分表情報を取得している。データの取得過程において、常にデータベースとアルゴリズムの調整が行われ、大量の人手によるチェックと入力が実施される。アンケートを通じて肌質テストを完了したユーザーは、アプリの検索窓で商品名を入力すれば、その商品の安全性、効能、成分及び肌質との適合性などの情報が表示される。さらに、ユーザーが肌質のテストを終えるとトップページには「同じ肌質を持つ人のお気に入り」と「My肌質に関するテーマ」が表示され、おすすめ商品機能がユーザーの商品購入意思決定を後押しする。

美麗修行は「言安堂」、「女神進化論」などの人気KOL(インフルエンサー)に依頼し、スキンケアに関する科学的な感想といったPGC(専門家により作成されたコンテンツ)を発信している一方、人気の話題の提起といったUGC(ユーザーにより作成されたコンテンツ)も多く用意している。36Krの調べでは、スキンケア商品の下には、通常数十件のユーザーによるコメントが寄せられる。科学的データに基づいたスキンケア分野での「小紅書(中国で最大のユーザー数を誇る口コミECアプリ)」を目指している美麗修行のコミュニティは、ユーザーに「その選択は正しい」ということを伝える強い味方になるだけでなく、品質に優れていながら知名度がまだ低い新ブランドの宣伝の場としても適している。

創業者の易鴎氏はかつて化学業界におけるトップ500社にランクインする企業に勤めており、化粧品の原料とサプライチェーンを熟知し、コスメブランドを立ち上げた経験がある人物だ。
(翻訳・桃紅柳緑)

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