人工知能企業「AutoBrain」 高速道自動運転システムと3Dシミュレーション開発プラットフォームを発表

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6 月 18 日、中国のAI企業「AutoBrain」が北京で世界初の自動車工業規格適合クラスの量産型高速道自動運転システム Mr.Pilotを発表した。Mr. Pilotを搭載した2台の「長城(GWM)」量産型乗用車(WEY)も会場で披露された。

AutoBrainの彭永勝CEOによれば、他の企業が発表したソリューションとの最も本質的な違いは、同社が独自に開発した自動走行ECUをハードウェアに搭載しているほか、量産車モデルにはフロント部分に6個のミリ波レーダ、1台のレンズと8個の超音波レーダからなる自動車メーカーのカスタマイズセンサーが装備されており、車両外部と車内に装備のための改造を加える必要がないという点だ。

現在、このソリューションは全体的に量産要件を満たしており、Mr.Pilot の路上テストはすでに100万キロを超えている。

自社開発の高速道自動走行ECUを説明している彭永勝CEO

Mr.Pilotの性能パラメータについて、李明喜CTOによれば、全体のアルゴリズム周期は25ミリ秒未満、センシング範囲は前後170メートル及び左右60メートルの楕円形の領域内、障害物識別は車両、歩行者、自転車、車線標識といった通常の対象だ。

Mr.Pilotの技術基準について、高速道自動走行ECUは、ソフトウェアなどのCANインターフェースをいくつでも拡張でき、消費電力が20W以下の低消費電力の自動車工業規格適合クラスのARM + FPGAチップを採用する。FPGAを活用してGPUの画像識別機能を実現し、ニューラルネットワーク学習を加速する。自動運転のセンサー、意思決定、フュージョン、プランニング、コントロール、記録、インタラクションとOTA等のソフトウェアモジュールが組み込込まれている。システムハードウェアとソフトウェアの面から冗長性を持たせている。

高速道自動走行ECUの発表に続き、AutoBrainが自動運転システムの開発進化をシミュレーションで検証するプラットフォーム「Creekstone」も展示した。環境の細部までこだわるシミュレーションは現実の交通における様々な危険な場面や劣悪なドライビングシーンを再現することができる。開発者はポリシープラットフォームに基づいて、ポイントクラウドのバッチ処理、自動ラベリング、および画像と画素レベルのラベリング等の様々な作業を完了するとともにデータを収集する。

彭永勝CEOは、AutoBrain は自動車メーカーに導入されているL3クラスの自動運転システムのほか、L4-L5クラスの開発も手掛けており、商業化に向けて、今後一連の提携を発表する予定だ。

 

AutoBrain はすでに「長城(Great Wall Motor Company Limited)」、「北汽(Beijing Automobile Works Co., Ltd,)」等多くの自動車メーカーと提携を結んでいる。量産車は年内に出荷予定で、車両1台当たりの自動運転ソリューションのコストは1万元(約15万6000円)前後に抑える。これはすでに数万元(数十万円程度)クラスのL2レベル自動運転システムを発表しているメーカーに一定のプレッシャーを与えそうだ。
(翻訳・桃紅柳緑)

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