インターネットを活用したごみ収集ビジネス ごみ分別条例が追い風になるか

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7月1日、上海市でごみの分別収集を義務づけた「生活ごみ管理条例」が施行された。条例では電池などの「有害ごみ」、再生可能な「資源ごみ」、「生ごみ」、「乾いたごみ」に分別するよう規定しているほか、捨てる時間も居住区ごとに朝晩の各2~3時間に限定している。違反した場合は50~200元(約780~3100円)の罰金が課される。条例の施行を受けて、町内会やボランティアが交代でごみ収集場所に待機し、分別指導を行っている。

画像提供:新民晩報

ごみの分別厳格化に伴い、スマホ決済サービス「支付宝(Alipay)」は上海エリアでミニプログラム「易代扔」をリリースした。これはオンラインで予約して資源ごみを回収してもらうサービスで、フルタイム勤務者や外出が困難な人は利用を検討する価値があるだろう。

これ以外にも、「ごみ捨て代行サービス」や「スマート分別」などさまざまなアイデアが生まれている。インターネットとごみ収集を組み合わせた事業を立ち上げた起業家はこれまでも多かったが、いまだ確たるビジネスモデルの構築には至っていない。

資源ごみのスマート回収ボックスの開発・設置を行うベンチャー企業「小黄狗(Xiaohuanggou)」は、2018年6月にシリーズAで10億元(約160億円)以上を調達し、ピーク時には全国33都市にユーザー300万人を抱える業界最大手に成長した。しかし、同社の支配株主である唐軍氏が別事業で違法に資金を集めて摘発されたあおりを受け、現在は会社更生手続を行っている最中だ。

また、インターネットを活用した資源ごみ回収サービスを提供する「再生活(Zaishenghuo)」は、Eコマースや家事サービスにまで手を広げたものの、収益化が難しく2017年に倒産した。

再生活の創業者である夏凡氏は過去にインタビューの中で「収集スタッフを自前で組織し、一軒一軒訪問する個人向け事業では、サービス1回につき最低6~7元(約95~110円)のコストが発生するが、客単価はたいていそれにも及ばない」と語っている。それに加えて運営、物流、保管、人件費などさまざまなコストが加わるため、経営面でのプレッシャーは想像に難くない。

それに比べると、事業者向けに特化した資源ごみ回収ビジネスを展開する「閑豆回収(Xiandou Recycling)」は好調だといえる。同社は大型スーパーやオフィスビル、ホテルなどから定期的に段ボールなどを回収し、自社施設で圧縮した後、再生紙の原料として製紙工場に販売する。創業者によれば、2017年第2四半期に黒字転換したという。直近では2018年10月に、シリーズCで「中美緑色基金(U.S.-China Green Fund)」から1億元(約16億円)を調達している。

閑豆回収の公式サイトより

ごみの分別が始まったことで、専用のごみ収集設備や生ごみの貯蔵・輸送などの新たな市場が生まれてきた。上海や今後分別収集が実施される46都市では、生ごみ回収・輸送ネットワークが急成長しており、光大証券(Everbright Securities)の試算によればその市場規模は36億元(約565億円)に達するという。

ごみの分別が推進されれば、サプライチェーン全体で数十億元(数百億円)の増収が見込まれる。この巨大なパイをどのように分け合うか、その構図がはっきりするのはもうしばらく先のことだろう。
(翻訳・畠中裕子)

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