ARMANIがWeChatと連携、コスメブランドが次々とバーチャルメイクサービスを開始

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ARMANIがWeChatと連携、コスメブランドが次々とバーチャルメイクサービスを開始

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自宅にどれほど多くの口紅があろうと、夏の限定色が発売されれば買わずにはいられない。

有名な美容インフルエンサーや韓国ドラマのヒロインが口紅購入のきっかけになることは多い。だがそれに負けじと売り上げ拡大に邁進しているのがジョルジオアルマーニビューティだ。

7月5日、アルマーニビューティを傘下に持つロレアルグループはWeChat(微信)との提携を発表し、AR(拡張現実)を応用したバーチャルメイクサービスが体験できるミニプログラムをローンチした。傘下の美容テック企業「ModiFace」の技術を採用し、パーソナライズかつソーシャライズされた新しい体験を消費者に届けることを趣旨としている。

簡単にいえば、実店舗に行かずとも、クリック1つでコスメが試せるサービスだ。気になるリップグロスや口紅の商品シリーズを選び、「タッチアップ」ボタンを押し、自撮り写真またはリアルタイム画像を転送すると、顔が自動認識され、選んだ色が画像の唇部分に乗る。

ミニプログラムでコスメを試す場合、店舗カウンターでは絶対に手にしないような色でも気軽に試せる。また、実店舗なら何本も試すうちに唇が乾いてしまうことも多いが、ARならそんな心配も不要だ。

とはいえ、アップロードした写真がなかなか認識されないほか、利用環境には一定の明るさが求められるという技術的な問題はある。また、口紅の色持ちや質感は全く分からないほか、口紅を塗る濃さの調整などもできない。

口紅は美容テックの試金石

過去にも、エスティローダーがFacebookのメッセンジャー機能を用い、チャットボット(自動会話)形式で理想のリップカラーが選べるサービスを展開した。またM・A・Cも数カ月前に新業態のコンセプトショップをオープンし、人気の口紅18色のバーチャルメイクサービスを実施している。

美容界の有名ブランドがこぞって先進テクノロジーの応用を口紅からスタートしている。その理由は口紅が比較的手の届きやすいぜいたく品であり、消費が落ち込む中でも販売数が群を抜く人気商品であるためだろう。経済情報メディア・第一財経傘下のCBNDataによる「2018年化粧品消費発展トレンドレポート」によれば、オンライン販売数が最も多い化粧品が口紅であり、多くの女性たちは実店舗で試した後にネットショップで購入するのが定型となっている。

ロレアルグループのデジタルマーケティング戦略

ロレアルグループによるModiFaceの買収は昨年のことだ。具体的な買収額は明らかにされていないが、同社はAR技術を皮切りに、市場予算の38%をデジタルマーケティングに投入する模様。

ModiFaceには豊富なAR技術開発の経験があり、これまでエスティローダーやセフォラ(SEPHORA)向けにARプロダクトを提供してきた。肌状態の変化をシミュレーションする機能やバーチャルメイクに加え、上述のエスティローダーが手掛けたサービスも同社が開発したものだ。

ロレアルがAR技術関連事業に着手したのは2014年のこと。当時はARアプリ「Makeup Genius」をリリースし、2017年には利用者の髪質をオンラインで分析し適切な商品を薦める「スマートブラシ」も販売。ただ、ブラシの販売価格が3000元超(約4万8000円)と高額だったうえ、ヘアケアにコスメ以上の予算を割きたいと考える女性は少なく、大きなヒットにつながらなかった。

ECサイトにとっても好機

現在、ミニプログラムで試し塗り機能を利用できるのはロレアル傘下のコスメブランドの商品のみで、他のブランドの商品と併用したシミュレーションはできない。この状況は、ECプラットフォームにとってチャンスとなっている。1度に複数のブランドの商品を試したいという消費者の思いを汲み、EC大手の京東集団(JD.com)は昨年8月、アプリにARバーチャルメイク機能を追加した。

京東のARバーチャルメイクは、リアルタイムに試せるうえ、選んだ口紅の色が自動的に唇の位置に重なる。顔を動かせば異なる角度での色味も分かる。アルマーニのミニプログラムにはない美顔機能や使用前・使用後の比較機能も利用できる。

アルマーニによるバーチャルメイクサービスの課題はまだ山積みではあるものの、ネットユーザーの大きな反響を呼んでおり、ソーシャルECアプリ「小紅書(RED)」でシェアするなどの利用方法も広がりつつある。同社の今後の売り上げ拡大に期待したい。
(翻訳・神部明果)

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