最高潮を迎えるバイオ医薬分野 今後の投資の目玉は?

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国内外資本の流入や、海外からの多くの優秀な人材が中国に集まることにより、バイオ医薬業界は依然として米中間の学界や資本、企業の交流で最も注目度の高い分野となっている。

昨年8月、食品薬品監督管理局と多くの部門・委員会が高品質の医薬品の研究開発を奨励するために、承認プロセスの最適化および医薬品の品質向上に着手し、また審査・承認までの日数も大幅に短縮したため、バイオ医薬業界が盛り上がりを見せている。今年6月には、上海証券取引所がハイテク新興企業向け市場「科創板」を正式に開設したこともバイオ医薬企業にとって大きな追い風となり、一次市場は今、全体的にバリュー投資に回帰している。

それは市場での取引にも反映されている。データによると2019年上半期、一次市場における出資の件数は約3138件だったが、そのうち医療・ヘルスケア分野における投資および出資件数は374件だった。取引額は502億元(約8030億円)に達しており、一次市場の総出資額の約13.4%を占めている。 2018年と同様、医療・ヘルスケア分野は、取引件数と取引額の両方で首位に立った。なお、同分野で最も多くを占めるのがバイオ医薬だ。

バイオ医薬分野の人気の行方や有望なプロジェクトを選別する方法、今後の投資の大きな目玉などについて、「星瀚資本(Sky Saga Capital)」のディレクター・陳雲雁氏から話を聞いた。

星瀚資本のディレクター・陳雲雁氏

これから始まる医療業界のブーム

星瀚資本はこれまで一貫して医療分野を手がけてきたが、インターネット産業振興の後に到来する長い景気サイクルにおいて、医療分野は膨大な商業価値を帯びるようになると考えている。

今年は基盤固めに着手したばかりだが、今後1~2年間で、医療業界の盛り上がりを支えるための基礎技術や産業配置が発展初期に入り、医療業界はまさにブームの前夜といった様相だ。これは、資本を投入する絶好のチャンスだ。

有望なバイオ医薬プロジェクトの選別と判断

バイオ医薬プロジェクトの選別と判断には、一つの基本的な枠組みがある。技術力、事業スキーム、創業メンバーの経歴が物差しになる。

バイオ医療はまだ黎明期にあるが、技術単体の進歩がプロジェクトに巨大な商業価値をもたらす水準に達している。我々は技術系のプロジェクトを「研究者型」と「エンジニア型」に分けている。研究者型は技術の進歩を核としたプロジェクトのことで、例えば、ゲノム編集技術「CRISPR/Cas9」はまだ多くの成長余地が期待されており、「金脈」を隠し持っていると言える。もう一つの「エンジニア型」プロジェクトは、優れた既存技術を統合して、検査製品や治療用製品を刷新するものだ。これらは臨床審査の要件を満たし、安全性や副作用の少なさを保証して、市場にも速やかに受け入れられるようにする。

ビジネスモデルからすると、インターネット医療以外に、国内の大半の医療プロジェクトの発展経路はいずれも動物実験や臨床実験などを経ている。星瀚資本はこのプロセスにおいて、安全性とコンプライアンスなどを最も重視している。我々は各業界の細部まで目を向け、実力を備えた企業と一通り接触した後、我々の期待や目標に適った企業を選別している。

今後の投資の大きな目玉

我々は免疫システムに関連した産業に着目しいる。特に抗原と抗体に関連するプロジェクトだ。現在のプレシジョン・メディシン(精密医療)において、化学薬品が占める割合は減りつつある。世界中の資金が最も多く集中するがん治療分野でも、最近になって登場した免疫療法が長足の進歩を遂げ、同時に幾つものスター企業が育ってきている。CAR-T(キメラ抗原受容体発現T細胞療法)やPD-1(プログラムデスレセプター)はいずれも新しいガン免疫療法で、その核心は抗原の分析および標的の研究にある。

こうした治療開発において、ゲノム編集やビッグデータのマイニング、AIなどの技術が一体となって、効果的に副作用を抑制している。ガンのスクリーニングや治療領域以外に、他の疾病の方面でも幅広く応用されており、将来的には抗原によって疾病を区分して治療方針を定めるモデルも徐々に登場していく。
(翻訳・虎野)

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