アリババ、クラウド事業を完全分離・上場へ

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中国IT大手のアリババ集団は5月18日、クラウドインテリジェンス事業グループを完全に分離し、今後12カ月以内に上場させる計画だと発表した。新会社は、株主権と企業ガバナンスの面でアリババから完全に独立する。同事業グループのビジネスモデル、顧客特性および発展段階が、アリババ傘下の消費者向けインターネット事業の大半と大きく異なることを鑑みた上での判断だという。アリババは、同事業グループが外部の戦略的投資家を迎えることも明らかにした。

アリババの2023年3月期通期決算によると、クラウドインテリジェンス事業グループの売上高は772億300万元(約1兆5000億円)で、調整後のEBITDA(利払い・税引き・一部償却前利益)は前の期比24%増の14億2200万元(約280億円)となり、2年連続の黒字を達成した。

米調査会社ガートナーの最新データによると、クラウドインテリジェンス事業グループに属するアリババクラウド(阿里雲)は、22年のIaaS(インフラストラクチャー・アズ・ア・サービス)市場で世界3位、アジア太平洋地域1位のシェアを獲得している。

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アリババはまた、傘下の物流事業「菜鳥網絡(Cainiao Smart Logistics)」と生鮮スーパー事業「盒馬鮮生(Freshippo)」が新規株式公開(IPO)計画を始動し、国際デジタルコマース事業グループが外部からの資金調達を開始したことも明らかにした。

同社は23年3月28日、創業以来最大の組織再編を発表。事業を6つに分割し、それぞれの事業グループが独自の資金調達や上場ができるようになるとしていた。

※6つの事業グループ=クラウドインテリジェンス事業の「阿里雲智能(Alibaba Cloud Intelligence)」、中国国内のEC事業を中心とする「淘宝天猫商業(Taobao Tmall Commerce)」、生活関連サービス事業の「本地生活(Local Services)」、物流事業の「菜鳥網絡( Cainiao Smart Logistics)」、国際デジタルコマース事業の「国際数字商業(Global Digital Commerce)」、デジタルメディアおよびエンターテインメント事業の「大文娯(Digital Media and Entertainment)」。

*2023年5月23日のレート(1元=約19.6円)で計算しています。

(36Kr Japan編集部)

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