アリババが独自の半導体チップを発表 5G、AI、自動運転に照準

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アリババが独自の半導体チップを発表 5G、AI、自動運転に照準

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中国IT大手アリババグループ傘下の半導体メーカー「平頭哥半導体(Pingtouge Semiconductor)」は7月25日、半導体チップの新製品「玄鉄910(XuanTie910)」を発表した。高性能デバイス向けに開発されたチップで、5G(第5世代移動通信システム)、AI(人工知能)、自動運転などの分野で活用可能だ。アリババによると、同製品は業界で最も高い処理能力を持つRISC-Vプロセッサである。

玄鉄910は16コアで構成される。演算性能は7.1Coremark/MHz、動作周波数は2.5GHzを達成しており、処理能力は既存の業界最高水準のRISC-Vプロセッサを40%以上上回る。

「玄鉄910」を紹介するアリババグループの戚肖寧副総裁

性能面の大きな飛躍を支えたのはアリババが成功した2つの技術革新だ。ひとつはアウトオブオーダー実行方式を採用し、1サイクルで2回のメモリアクセスを業界で初めて実現したこと。もうひとつはRISC-Vを拡張して50ほど命令を追加することで、演算、記憶装置、マルチコアなどの性能を高めたことだ。

その結果、玄鉄910は設計・製造コストが引き下げられただけでなく、将来的に5GやAI、インターネット通信、自動運転などの分野において、同製品を利用することでチップの性能を倍以上に向上させることが可能となった。

アリババグループは昨年9月、傘下の基礎科学・イノベーション技術研究機関「阿里巴巴達摩院(Alibaba DAMO Academy)」と組み込みCPU開発を手掛ける「中天微系统(C-SKY Microsystems)」が共同で平頭哥半導体を設立したことを発表した。つまり玄鉄910の企画から製品化までにかかった時間は1年足らずということになる。

AI+IoT時代を迎えてチップの活用場面は多様化が進み、企業は迅速に製品化できるチップを必要としている。RISC-Vのアーキテクチャにはフリー(オープンソース)で、柔軟性が高く、低消費電力という特性があり、AI+IoT関連で最も中核的なアーキテクチャのひとつとみなされている。

平頭哥半導体は新製品発表の場で、チップ設計のハードルを引き下げ、ビジネスエコシステムの整備を加速するための「チップの包摂的普及」計画を発表した。量産体制が整っている企業や高等教育機関の研究組織に声をかけ、共同でベンチマークとなるプロジェクトを完成させるとしている。将来的に玄鉄910のIPコアを全面的に公開する方針も明らかにした。世界中の開発者が無料で玄鉄910のFPGAコードをダウンロードし、チップのプロトタイプ設計とアーキテクチャに関する技術革新を迅速に展開できるようにする。

同社はドメイン特化型SoC(システムオンチップ)開発用プラットフォームも構築している。プロセッサIP、SoC、アルゴリズムなどのソフトウェアやハードウェアを提供することで、AI+IoTをめぐるさまざまな用途に応じ、企業や開発者に対して多層的なチップ関連サービスを提供する構えだ。
(翻訳・池田晃子)

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