海外投資コンサルティングに特化「辰宇投資」が8000万円調達

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海外投資コンサルティングを手掛ける「深圳市前海辰宇投資諮詢(SUNIVERS INVESTMENT)」が今年6月にエンジェルラウンドで500万元(約8000万円)の資金調達を完了していたことがわかった。調達後の評価額は約1億~1億5000万元(約16億~24億円)。出資したのは「深圳潤州創業投資」で、調達した資金は社内の業務システム改良などに充てるとしている。

米投資会社ベインキャピタルと招商銀行が6月5日に共同で発表した「2019中国個人資産報告(Chinese Private Wealth Report)」によると、2018年、中国で1000万元(約1億6000万円)以上の投資可能資産を持つ個人は約197万人に上った。投資可能資産は全体で190兆元(約3000兆円)規模に達しており、今年末には200兆元(約3200兆円)の大台に乗る見通しだ。

中国では多くの資産家が国内のプロジェクトに投資している。海外への投資ニーズもあるが、海外投資を手掛ける専門的な機関は少なく、情報が不正確で、サービスも不十分な上、顧客側にも支払いに対する意識が低いなどの問題が存在する。中には虚偽の高収益率で投資を募る資産管理会社もあるという。

「辰宇投資」は顧客のニーズから出発して、海外保険、不動産、ファンド、家族信託などのコンサルティングサービスを提供したいとしている。

投資コンサルティングに従事する人員に対する国の明確な資格要件がない中、同社は専門性を高めるため、独自の認定制度を確立。投資アドバイザーに対して数次にわたる審査や研修を行い、人材の質を確保している。
中でも「新人研修」「業務研修」「実践訓練」「フォローアップ研修」という研修システムが投資アドバイザーの業務能力を向上させるとともに同社の研修コストも下げるという。

同社は二、三級都市でも業務を展開している。本社がある深圳の他に広州や恵州、江門、成都などに支店を設立。年末までに石家庄、杭州、青島、西寧にも支店を開設し、合計10カ所に増やす予定だ。

同社は2本柱で事業を展開している。一つは中・上流顧客向けの保険や不動産、投資信託のコンサルティングなどのリテール業務で、平均客単価は年間10万香港ドル(約140万円)。もう一つは富裕層向けに家族信託の枠組み設定や、個人と企業への税務方面のソリューション提供で、平均客単価は年間100万ドル(約1億円)に上る。現時点で既存顧客は5000人を超える。

辰宇投資の2018年通年の売上高は4億8000万香港ドル(約65億円)、うち95%をリテール業務が占める。

現在のAI技術を活用したインターネット金融の影響について、創業者の曾憲奎氏は「オフラインのコンサルティングがもたらす専門的な体験はインターネットでは代替不可能」と語った。バーチャル空間では顧客は臨場感や安心感を得られない。投資コンサルティングは企業が顧客にサービスを提供するプロセスであるとともに、顧客が企業の専門性を観察するプロセスでもある。AIが代替可能なのは少数の商品知識しかないような営業マンであって、専門的な投資アドバイザーではない。

しかし同社はインターネットモデルを排除しているわけではない。曾氏は、将来的にインターネットプラットフォームを導入して会社内部で顧客の財務状況を分析するとともに投資のアドバイスを行うシステムを公開し、オンラインのプラットフォームを利用してオフラインの集客を行う方針を示している。

従業員は現在、約250人。うち70%に留学経験があり、管理職はおおむね7~9年の資産管理経験を持つ。年内に従業員を300人規模に拡大する予定だ。
(翻訳・山口幸子)

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