JD.comが高級ブランドのリユース店舗をオープン ラグジュアリー品のアフターマーケットに照準

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中国EC大手「京東集団(JD.com)」が先月、北京市の南三里屯にラグジュアリー品のアフターサービスを提供する実店舗「京東奢護」をオープンしたという。これは同社が初めて手掛けるラグジュアリー品専門の総合サービスセンターで、革製品、ジュエリー、時計、アパレル製品のクリーニング、修理、メンテナンス、リペアや中古ブランド品の買い取り販売などのサービスをおこなう。

面積120平方メートルの店内は、リユース品・メンテナンス・研修サロンの3エリアに分かれ、それぞれの専門の職人や鑑定士が常駐している。高級時計の簡易クリーニング・点検サービスがその場で受けられ、さらに高度な技術を要する作業は専門のメンテナンス工場でおこなわれる。

機構内の状態を確認する時計職人

店舗マネージャーによると、2019年下半期にまず直営店を数十店オープンする計画で、フランチャイズ展開については今のところ未定だという。自社メンテナンス工場も同様に増やしていく計画だ。

京東奢護は、もともとグループ内のECサイト「京東商城」のアフターサービスを担う「京東服務プラス」から誕生、スピンアウトしたものだ。オンラインで購入した3Cデジタル製品(PC、携帯電話、デジカメなど)、家具・家電のセットアップやメンテナンス、生活関連サービスなどの付加価値を提供してきた。ラグジュアリー品のメンテナンスも生活サービスの一環とみている。

販売エリアにディスプレイされた中古ブランド品

店内にディスプレイされた中古ブランド品は、透明の包装にQRコードが付けられ、それを読み取ると京東商城のウェブサイトに遷移し、即時購入できる。

京東のオークションサイトに出品されているブランド中古品には、鑑定済みであることを示す偽造防止タグが付けられる。京東奢護では、オンライン・オフライン店舗にある商品の共有化を実現しているため、ユーザーは京東商城アプリ上で即決してもよいし、実店舗へ来店し直接手に取り検討することもできる。

正規品と偽物、メンテナンスのビフォーアフターを並べて陳列

京東は2017年6月、世界的ラグジュアリーEC大手「ファーフェッチ(Farfetch)」に3億9700万ドル(約50億円)を出資、高級品市場へと本格参入した。2017年10月にはラグジュアリーEC「TOPLIFE」を全額出資により展開したが、その後ファーフェッチに統一。現在はファーフェッチのブランド名で京東商城にフラッグショップを構えている。

ラグジュアリー品の消費が伸び、そのアフターサービス市場への期待も高まってきている。京東は、このハイエンド市場をめぐる全サービスの囲い込みを狙う。マネージャーは「ラグジュアリー品の買い取り販売、修理・メンテナンスなどの全サービスを一手に担う、ワンストップ型プラットフォームを目指す」と意気込みを見せている。

他にもラグジュアリー分野へ進出した例では、「天猫(Tmall)」がラグジュアリーEC「Luxury Pavilion」を展開するほか、中国発祥のラグジュアリーEC「寺庫(SECOO)」はグローバル展開し米ナスダックに上場している。SECOOは早期にアフターマーケットに狙いを定め、世界各国から鑑定士やメンテナンス技師を揃え、世界有数のメンテナンス工場を擁している。

EC大手がラグジュアリー品のアフターマーケットを狙うのはなぜだろうか。

米コンサルティング会社ベイン・アンド・カンパニーが発表した「2019年中国ラグジュアリー品消費レポート」によると、2018年中国人消費者のおよそ2390万人が高級ブランド品を購入したことがあるといい、その消費総額は7700億元(約12兆円)。世界の3分の1の高級品を中国人が買い占めていたことになる。

中国人のラグジュアリー品に対する消費が増え、世界的な有名高級ブランドがこぞって中国に出店した。しかし、そのアフターサービス市場は未整備のままだ。これまでも修理職人の小さな店は多く存在していたが、クオリティや技術は満足できるものではなく、料金も不透明だった。ラグジュアリー品を専門的に扱うアフターサービスが、いま中国市場で求められているのだ。

このニーズを取り込めるかが、EC市場の勝負を決める鍵となるかもしれない。
(翻訳:貴美華)

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