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オランダ政府は6月30日、先端半導体の製造装置の輸出管理を9月1日から強化すると発表した。中国への輸出を厳しく制限する米国に同調した措置とみられる。
これを受け、オランダの露光装置大手ASMLは即座に自社サイトで声明を発表。同社が手掛ける最先端の液浸DUV(深紫外線)露光装置「TWINSCAN NXT:2000i」およびそれ以降のモデルを輸出する際は、同国政府の許可が必要になると説明した。
ASMLはすでに、EUV(極端紫外線)露光装置の対中輸出が制限されていた。中国の半導体受託生産最大手の中芯国際集成電路製造(SMIC)などは事実上、同社のEUV露光装置を調達できない状況に陥っている。一方、ASMLは23年1〜3期の決算発表で、オランダ政府の対中輸出規制により一部の製品の輸出に影響が出ているものの、レガシープロセスを用いる中国メーカーからの需要は依然として大きいと説明した。
ロイターによると、米国は近く新たな対中輸出規制を打ち出す可能性があるという。
米中間の半導体競争は欧州や日本にも及んでいる。日本政府は今年1月、米国およびオランダと協調し、中国向けの先端半導体製造装置に輸出規制を課すことで合意した。5月には 経済産業省が省令を改正し、輸出管理の対象に高性能な半導体製造装置など23品目を加え、7月23日に施行すると発表した。
中国では半導体の国産化が急務となっている。ここ数年は、政府が半導体製造産業の振興に向け、メーカーに補助金を支給するなど巨額の投資を行い、一定の成果を収めている。しかし、前工程の製造装置の国産化率は依然10%未満にとどまっている。とくに、露光装置や塗布装置の国産化率はまだわずか1%だという。
(36Kr Japan編集部)
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