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世界トップクラスの高速デジタルモーターが売りの中国の掃除機ブランド「Dreame(ドリーミー)」がこのほど、日本市場に正式参入した。36Kr Japan編集部は新製品発表会に参加し、最上位機種のロボット掃除機「DreameBot L10sUltra」を自宅で体験するチャンスに恵まれた。以下に実際の使用感を記してみたい。
スタイリッシュな外観
ある晩、仕事を終えて帰宅した筆者がドアを開けると、DreameBot L10sUltraの入った包装箱が待っていた。「おや?意外と大きいな」とつぶやくと、家族が開封と組み立てを手伝ってくれた。箱の中には、L字型のベースステーションと楕円形のロボット掃除機、さまざまな付属品が入っていた。
ベースステーションに浄水タンクと汚水タンク、ゴミ収集用の紙パックをセットし、掃除機本体にモップパッド2枚と小さなサイドブラシ1枚を取り付ける。組み立て終わると想像以上にコンパクトかつスタイリッシュだった。床掃除用のサイドブラシは回転式で、お下げ髪のようなブラシが三方向に伸びていて、なんとなく可愛らしさも感じさせる。
ベースステーションに電源コードをつないで電源を入れると、ロボットがおしゃべりを始めた。
スマホで簡単操作
ロボット掃除機本体の上ぶたを開け、そこに記されているQRコードをスマホで読み取り、Dreameのアプリをダウンロードする。自宅のWiFiとの接続が完了すると、アプリを通じてロボット掃除機を操作できるようになった。掃除機本体がどこかに行ってしまっても、ワンクリックでベースステーションに戻ってくる。
なんだか掃除機本体が可愛い猫、ベースステーションが猫部屋に見えてきた。部屋の中には、きれいな水や洗剤、汚れた水を入れるタンクなどが備えられている。電源を入れさえすれば、猫の餌は尽きることなく供給される。
正確なマッピングと障害物回避
筆者はこれまで、ダイソンのコードレス掃除機で床のゴミやホコリを吸い取り、アイロボットの水拭きロボットに拭き掃除を任せていた。ところが、DreameBot L10sUltraは、掃き掃除と拭き掃除を同時進行するだけでなく、モップの洗浄・乾燥も完全自動で実行してくれるという。矢も盾もたまらず、早速試してみることにした。
小さなロボット掃除機は初めての我が家を見回すと、アプリから「家の中を片付ける必要はありませんか?」と呼びかけてきた。床に散らばっていた小物を片付け、ロボット掃除機に家の隅々まで自由に探索させたところ、家の見取り図を作成するためのマッピングは極めてスピーディに完了した。
ロボット掃除機があちこち動き回る様子は、筆者が来日したばかりの頃、皇居周辺でランニングをしようと初めて六本木から日比谷方面に向かった時のことを思い起こさせた。どの道を曲がれば皇居にたどり着けるのか、あちこち見回しながら、グーグルマップと自分の目と頭を使って現在位置を確認し、進むべき道を探した。
一方、このロボット掃除機は進行方向にレーザー光を照射して現在位置や障害物を確認しながら進む(図3の拡大部分)。正確なナビゲーションは、 LiDAR技術による測位に基づいている。直線的に進み反射する光の性質を利用し、発射したレーザー光が障害物に当たってから戻ってくるまでの時間を計算することで、現在位置と障害物との距離を判定する仕組みだ。また、人工知能(AI)カメラが撮影したリアルタイムの画像や、障害物回避に関するデータベースも活用し、家全体の間取りや各室の様子を把握する。
その性能は驚くほど素晴らしく、我が家の寝室やダイニングルームを正確に把握し、筆者が家中に置いて「我が家の神」と呼んで大事にしているたくさんのぬいぐるみを見事に避けていった。
強力な清掃機能
我が家の床はフローリングで、細かいゴミやホコリが気になりやすい。DreameBot L10sUltraを使い始めた日、その性能を試すチャンスが来た。サラダにかけた粉チーズとフレンチドレッシングを床にこぼしてしまったのだ。
これまで使ってきたロボット掃除機ならば、掃除したい場所まで運んでいく必要があった。しかし、DreameBot L10sUltraは、アプリで掃除したい場所を指定すると、勝手にそこまで移動してくれる。掃除モードはカスタマイズできるのだが、今回は「1回」と「掃き掃除と拭き掃除」を選択したところ、粉チーズのような粉末にもドレッシングのような油汚れにも素晴らしい効果を発揮することが分かった。
清掃が不十分だと感じた場合は、掃除モードを変更し、掃除の回数を増やしたり、清掃の強度を高めることもできる。
驚きの適応能力
DreameBot L10sUltraは、大事にしているぬいぐるみは正確に避けたが、驚いたことに2カ所に置いているフロアランプの台座は避けず、乗り上げて掃除をした。ホコリはたまりやすいが、あまり掃除をしたことがない場所だった。
フロアランプ1号はソファーと壁で直角に2方向がふさがれている。ロボット掃除機はまっすぐ台座にのりあげた。
フロアランプ2号は1方向だけがベッドにふさがれている(図7)。ロボット掃除機は、走り屋をテーマにした漫画作品「頭文字D」に登場したドリフトの技「溝落とし」のように直角に進路を変える妙技を見せた。
いずれのフロアランプも、掃除された場所は元どおり、真っ黒でツヤツヤした台座を取り戻した。
少しの充電で稼働可能な働き者
届いてすぐ、ろくに充電もせずDreameBot L10sUltraを使い始めたのだが、充電が22%になった時、「ベースステーションに帰って充電します」という音声が流れた。ベースに戻ってからは、集めたゴミを紙パックに移し、モップパッドを洗って乾かし、少しの間おとなしくしていた。充電を始めたのは午後0時35分。午後1時16分に充電が36%になると、エネルギーが回復したのを自覚したように、次の現場に向かっていった。その間わずか51分。昼寝をしようとしていた筆者が寝入る前に、ロボット掃除機は働き始めていた。
掃除終了後のアフターケア
DreameBot L10sUltraは複数回の掃除で吸引したホコリやゴミを紙パックにまとめてくれるため、人間は紙パックを処理するだけで済む。しかも、モップパッドの洗浄・乾燥も自動で終わらせてくれる上、各作業が終わるたびに音声で報告してくれる。今のところ、タンクの水換えやブラシにからまった頭髪の除去などは人の手に頼らなければならないが、将来的にこれらの作業も自動化されれば、掃除がもっと快適になるだろう。
まるで猫のように
家にいないとき、スマホでDreameのアプリを開けば、AIカメラを通じて家の中の様子が確認できる。もちろん、いつでもユーザー自身で記録を削除することもできる。筆者は時間に余裕ができるたびに、カメラ機能を起動し、ロボット掃除機を前進させたり後退させたり、左右を見渡したりして遊んでみた。
目の前にはテーブルや椅子の脚が林立し、さまざまな小物があふれていた。「背の低いロボットから見る世界はこうなんだ」と実感した。赤ちゃん、あるいは猫もこういう角度から周囲の景色を見ているのだろう。
「ひょっとして、このロボット掃除機は配膳ロボットのように使えるのではないだろうか」というアイディアもひらめいた。動くのも面倒な時、ちょっとしたものを家族に渡すくらいなら使えるかもしれない(笑)。
DreameBot L10sUltraは、気持ちをリラックスさせてくれるロボットだと思う。外出先でスマホを操作するだけで家を掃除してくれる。きれいになった自宅に戻った時の嬉しさは格別だ。性能の高さから言えば、ファミリーや大きめの家に適しているのは間違いない。けれど単身者も、猫を飼おうか迷った時の第2の選択肢として、このロボット掃除機を検討してみてはいかがだろうか。DreameBot L10sUltraが「そう、吾輩は猫である。家中を掃除するタイプのロボットキャットよ」としゃべりだしたら面白い。今回の体験で、そんな想像も膨らんだ。
(作者:MilkShakeYoung、翻訳・編集:田村広子)
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