中国のオーディオブック業界、寡占化進む

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中国のオーディオブック業界、寡占化進む

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オーディオブックプラットフォーム「懶人聴書(lrts.me)」が近ごろ、新たに1億元(約15億円)規模の資金調達を完了したことがわかった。リード・インベスターは「基石資本(Co-Stone Capital)」、コ・インベスターは「三千資本(Great Chiliocosm Capital)」、調達後の評価額は20億元(約300億円)。今回調達した資金はコンテンツ及び著作権の獲得に利用するという。同時にプラットフォームの機能を高め、立体音響技術などのテクノロジーを取り入れて、ユーザーエクスペリエンスを向上させたいとしている。

懶人聴書は2012年に設立。現在月間アクティブユーザー数(MAU)は3000万弱、1日当たりアクティブユーザー数(DAU)は1000万弱、アクティブユーザーの1日平均利用時間は約180分だ。ユーザーは16~25歳の若者がメインであり、一、二級都市のユーザーが30%以上を占めるという。

懶人聴書

同社は以前からオーディオブック分野に注力してきた。特に長編ネット小説だ。出資者である「閲文集団(China Literature)」、「時代出版(APGTIME)」にも「掌閲文学(i Reader)」、「縦横中文網(Zongheng Chinese Website)」、「天涯(TianYa)」など国内の電子書籍プラットフォーム及び、全国の500を超える出版社と長期的な提携関係を締結、著作権への対応を強化している。

また、1000人以上のナレーターと契約して購入したコンテンツのオーディオブック化を行っている。ナレーター1人につき1日平均で2~3章を録音するという。ユーザーの課金率は4.5%前後まで上昇している。収益はコンテンツの著作権保有者、懶人聴書、ナレーターの三者で分け合うかたちだ。同社は有料コンテンツからの収益でここ数年連続して黒字化を実現している。

データ分析の「艾媒諮詢(iiMedia Research)」がまとめた「2017~2018年中国オンラインオーディオコンテンツ市場研究リポート」によると、42.3%のユーザーが「将来的にはオーディオコンテンツプラットフォームに課金するつもりである」と回答。全体的に見ても、オーディオコンテンツプラットフォームの有料サービスには大きな成長の余地がある。

オーディオブック事業の安定した発展を受けて、懶人聴書は新しい事業に挑んでいる。今年初め、同社は「芽芽故事」という幼児向け絵本アプリをリリース。1カ月に20冊の絵本をオーディオブック化できるとし、すでに200冊以上の絵本が利用可能だ。

芽芽故事

オーディオブック業界ではすでに上位企業による寡占化が顕著だ。ビッグデータ分析の「易観千帆(Analysys.cn)」が発表した「2018年中国モバイル向けオーディオコンテンツ業界発展分析」というリポートによると、2018年12月時点のオーディオコンテンツプラットフォーム各社のMAUは「喜馬拉雅(Himalaya)」が8107万でトップ。「蜻蜓FM」、「茘枝FM」も1000万規模に達している。各社のターゲット設定はそれぞれ異なり、喜馬拉雅、「得到(igetget.com)」、「樊登読書(SPIRITUAL WEALTH)」は知識の有料サービスに重点を置いているのに対し、茘枝FMは「インタラクティブ・ソーシャル」を強調。懶人聴書はオーディオブックに特化することを選択し、コンテンツの拡充をはかっている。

各社はすでに収益性を向上させる段階に入っている。小説やカリキュラム単体への課金に加え、多くのプラットフォームがビジネスモデルとして有料会員へのサービスに注力し、ユーザーの定着率向上につなげている。喜馬拉雅の有料会員数は2019年5月時点で400万を超えており、樊登読書も昨年すでに有料会員数400万を実現している。

懶人聴書の創業者である宋斌則氏によると、2018年の同社の売上高は2億元(約30億円)を超えており、今年の売上高は4億元(約60億円)に達する見込みだという。
(翻訳・山口幸子)

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