会議シーンをAIが分析、参加者の社交関係図がわかる「SocialFace」

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会議シーンをAIが分析、参加者の社交関係図がわかる「SocialFace」

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イベント、会議などの映像データ分析の「SocialFace」が、プレシリーズAで約1000万香港ドル(約1億3500万円)規模の調達を2度にわたり実施した。インベスターは「香港X科技基金(Hong Kong X Technology Fund)」、「商湯科技(SenseTime)」、アリババと共同設立された「香港人工知能実験室(HKAI Lab)」、オーストラリアのファミリーオフィスなどで、調達後の企業価値は1億5000万香港ドル(約20億円)となった。

IT業界の隆盛および中国の「インターネットプラス(インターネットと各種産業との連携)」と一帯一路への政策支援により、企業や各機関などによる会議の開催は、業界同士の橋渡しとなる重要な役割を担い、関連企業も急増している。会議産業は、市場規模でいえば、2013年のアジア太平洋地域の市場規模は51億4000万ドル(約700億円)だったのが、昨年には73億3000万ドル(約990億円)に達し、年平均成長率は7.36%となった。

SocialFaceはイベントや会議のシーンに切り込み、社交イベントの写真や映像データを基に人物の社交関係やソーシャル・シグナルを分析して人物相関図を作成するAIビックデータ管理プラットフォームだ。

創業者兼CEOの柴舸洋氏によると、企業は1年間で最低3回以上のオフラインイベントを実施する必要があり、1回ごとに平均何百枚もの写真が撮影されるという。これらの写真はイベントの記録や宣伝以外に使い道がなく、ほとんど有効利用されてこなかった。SocialFace-Aiマップはこの「無意なデータ」を「有意なデータ」に生まれ変わらせ、企業の事業展開や情報管理に新たな視点を提供している。

同社の主商品は8月にローンチされたSocialFace-Aiマップだ。同社はビジネスでの会議シーンにおいて撮影サービスとクラウドストレージを提供し、利用者はSaaSやアプリを通じてデータを利用できる。会議終了後、企業はSocialFace-Aiマップにより、人物の表情、年齢、地位などのデータを写真の中から抽出できる。

創業メンバーは香港科技大学のソーシャルメディア実験室の研究者であり、5年間にわたる研究の中でSNSユーザーの画像分析や顔認識技術、人物データ分析、スマート人事データ管理などに関する単独特許を取得しており、これがSocialFace-Aiマップの核となっている。

また、SocialFace-Aiマップは、会議・イベントでのコミュニケーション状況からソーシャル・シグナルを読み取り、人物相関図を作成したうえでスマートデータレポートとして企業に提供する。このほか過去の画像データの分析も可能で、参加者、イベント、会議ごとに分類して管理を行える。これが画像をベースとしたビッグデータCRM(顧客管理システム)のような機能を果たし、その後の精確なデータに基づくゲストの招待やビジネスコミュニケーションなどに効果を発揮している。

SocialFaceが商業化において主なターゲットとしているのは、大型会議の主催企業や協賛企業などで、例を挙げるとPR会社や各分野の業界団体などだ。現在、同社はスタンダードプランである画像ストレージサービスとイベント撮影のほかに、オプションでデータ分析などのカスタマイズサービスも提供している。

昨年創業のSocialFaceは、広東・香港・マカオベイエリア(粤港澳大湾区)を拠点とするハイテクスタートアップであり、香港で研究開発、深圳でフロント業務を実施している。深圳のインキュベーションセンター「康佳之星(KK Star)」に属する同社は、現時点ですでに複数の上場企業、協会、フォーラムに向けて年間300件以上のサービスを提供してきている。顧客企業数は150社、客単価は2万香港ドル(約27万円)で、現在100社以上の戦略パートナーとの交渉も進んでいる。このほか、香港X科技基金のインキュベーションコンテストのプロジェクトではトップ5に選出されており、HKAI LABから誕生した初のハイテクスタートアップでもある。

現在のメンバーは15名で、柴氏は米ブラウン大学のMPA(公共経営修士)を取得しており、香港の投資銀行で長年勤務した経験をもつ。共同創業者兼CTO(最高技術責任者)の張柏鳴氏は香港科技大学でビッグデータに関する博士号を取得し、SNS顔認識の特許技術を有している。またパートナー兼CMO(最高マーケティング責任者)の蘇澤龍氏は英クイーン・メアリー(ロンドン大学)で修士号を取得している。
(翻訳・神部明果)

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