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シンガポールを拠点とする「Affirma Capital」はこのほど、英スタンダードチャータード銀行のプライベートエクイティ(PE)部門に対するMBO(マネジメント・バイアウト)を完了したと発表した。これにより、Affirma Capitalは新興市場に特化した独立系PE投資会社としての新たな一歩を踏み出した。
Affirma Capitalはシンガポールに本社を置き、シンガポール金融管理局のルールが適用される。また上海、ヨハネスブルグ、ドバイ、ムンバイ、ソウルにも拠点を構える。同社の共同創業者で大中華圏部門トップの曽祥雲(Gilbert Zeng)氏は、共同創業者の7人が6つの国・地域の責任者で構成されていることに触れ、「グローバルPEファンドとしての同社の強みは多様性」だと語る。
同社の投資チームメンバーの大半はスタンダードチャータード銀行のグローバルPE部門出身だ。この部門は17年にわたって新興市場に焦点を合わせ、アジア・アフリカ・中東の90数社に累計55億ドル(約5780億円)以上を投じ、50億ドル(約5250億円)を超える収益を実現してきた。
現在の同社の運用資産規模は36億ドル(約3780億円)、スタンダードチャータード銀行グローバルPE部門時代の資産が20億ドル(約2100億円)近くを占め、残りが新規設定ファンドだ。新設ファンドは半年ほどかけて準備されたもので、世界的トップクラスの機関投資家、政府系ファンド、金融機関、資産管理会社などが出資しているという。
曽氏はスピンオフで設立されたファンドに共通すると前置きした上で、Affirma Capitalの課題は新たなブランドの確立と認知度の向上だとした。ただ、同社の場合は十数年に及ぶチームワークが自信になっているとし、「新設ファンドが目標募集金額をすぐに達成したことも、投資家が当社に十分な信頼を寄せていることを示している」と強調した。
中国市場に関しては、消費、金融、健康などの注目分野における投資戦略を踏襲する方針を明かした。Affirma Capitalのグローバルな経営資源により、将来性のある優れた企業に力を与え、長期的発展を後押しするとともに、出資者との相互利益を実現するとしている。
共同創業者でCEOのNainesh Jaisingh氏は今回のMBOについて、新興市場でのPE業務に対するものとしては史上最大規模であり、ひとつの大きな節目になるとの見方を示した。同社のメンバーは記録的な投資収益を実現することで、投資機関を独立運営する能力を完全に備えていることを証明したと説明。成功が検証されている投資戦略を用い、対象エリア内のトップ企業の発展を引き続き支援していく方針だとした。
スタンダードチャータード銀行がPE部門の分離を考慮していることが最初に報じられたのは2016年だった。曽氏も今回のMBOは3年の時間を要し、英投資会社のインターミディエイト・キャピタル・グループ(ICG)の助けを借りて成立にこぎつけたことを認めている。なおICGはAffirma Capitalの重要な出資者のひとりとなっている。
(翻訳・池田晃子)
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