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人工知能(AI)技術はここ2年で急速に発展し、各分野に広がりつつある。教育分野では、多くのテック企業が学校向けスマート体育事業に着手し、AI技術を活用することで従来の体育教育に新たな活力を吹き込んでいる。
2019年に設立されたAIテック企業「一視科技(Yishi Technology)」はマシンビジョンと体育を組み合わせ、IoTカメラと画像認識アルゴリズムによって運動場や体育館などをスマート化する「AIスマート運動場」ソリューションを提供している。
創業者の唐義平氏は音声認識大手の科大訊飛(iFLYTEK)に長年勤務した経歴があり、AIプロダクトの豊富な開発経験を有する。同氏によると、中国政府はK12(幼稚園から高校まで)の体育授業を重視しており、2020年9月には体育総局と教育部が共同で、体育を高校入試の採点科目に含め、その比重を高めていく方針を発表した。また、教育部は「義務教育課程方案および課程標準(2022年版)」に「体育と健康」時限の割合を10~11%にすると明記し、国語と数学に次ぐ「第3の主要教科」に位置づけた。
しかし、従来の体育授業は単一的で創造性に欠け、教師が生徒の能力を総合的に評価したり、生徒の状況を個別に分析したりすることは難しかった。こうした中、生徒がデバイスを装着することなく、画像認識技術によって体育をスマート化するAIスマート運動場が普及のチャンスを迎えている。
同社は2019年にスマート運動場ソリューションを発表した。このソリューションは運動場の縄跳びエリアや50メートル走路など特定の場所にAIカメラ、音声対話スピーカー、ディスプレイを設置し、ディープニューラルネットワーク、姿勢認識、画像分析などのAI技術を通じて生徒の運動スコア、運動姿勢、プロセスなどの指標をリアルタイムで収集・分析・評価できる。これにより運動スコアの自動判定、違反動作の検出、動作の正確性分析・指導などが可能になり、体育授業の「教育、学習、練習、測定、評価」という全段階に対応できる。
このソリューションは体育教師の負担も軽減する。教師はバックエンド端末の授業プログラムを起動すれば、カメラを通じて生徒の運動データをリアルタイムに収集し、データを分析できる。体育専門家のナレッジグラフと組み合わせることで、システムが自動的に運動スコアを計算すると共に、より効率的にトレーニングできるよう生徒に応じた個別のアドバイスを生成する。また、総合的な評価データファイルを作成し、教師の正確な指導をサポートする。
同社のサービスは現在、中国の40以上の都市で数百カ所の学校に導入され、120万人以上の生徒が利用している。多くの学校から得たフィードバックによると、スマート運動場の導入と活用を通じて、生徒の体力測定データや体育の成績が向上し、運動の頻度と積極性が大きく上がったという。
(翻訳・大谷晶洋)
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