相性のいいRPAと生成系AIを連携 業務自動化のさらなる進化を目指す中国「Cyclone」

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相性のいいRPAと生成系AIを連携 業務自動化のさらなる進化を目指す中国「Cyclone」

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企業向けAIアプリケーションを提供する中国ソフトウェアベンダー「Cyclone Robotics(弘璣信息技術)」が7月、シリーズC+で約4000万ドル(約58億5000万円)を調達した。調達した資金は大規模言語モデル(LLM)や生成AIを活用したオートメーション(自動化)の開発と実用化および市場開拓などに用いられるという。

創業時からRPAに注力、さらにハイパーオートメーションへ

Cyclone Roboticsは2015年に設立され、定型業務を自動化するロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)とAIを組み合わせたサービスを手がける国内有数の企業である。

企業のITインフラが発展し成熟するにつれ、企業が使用するソフトウエア間で情報が連携されない「サイロ化」が問題となり、スムーズな業務の妨げとなっている。例えば、従業員が月末に経費を精算する場合、それぞれの領収書を貼り付けたうえで、OA機器や社内メッセンジャーなどを行き来しながら何度も精算書類を提出しなければならないのはその典型例だ。

Cyclone Roboticsは上述のような問題を解決するため、設立当初からRPAをメインに手がけてきた。RPAは従業員がパソコンやスマートフォンで行う作業を再現することで、機械的で反復的なタスクを「自動化」する。

市場ニーズの増加に伴い、オフィスオートメーションを提供するベンダーに対する企業の要求もますます高まっている。RPAで企業の問題を解決するだけでなく、AIや機械学習、イベント駆動型アーキテクチャーを統合し、さまざまなツールを使用する必要がある。そのツールにはRPAのほか、インテリジェントビジネスプロセス管理スイート(iBPMS)やクラウド統合プラットフォーム(iPaaS)、ローコード開発ツールなどが含まれる。

RPA、BPM、iPaaSなどを組み合わせた新しい業務自動化は「ハイパーオートメーション」と呼ばれる。このハイパーオートメーションは、企業が自由に組み合わせられる業務プロセスを実現するうえで重要な要素となりつつある。米調査会社ガートナーは、ハイパーオートメーションと再構築した作業プロセスを組み合わせることで、2024年までに企業の運営コストを30%削減できると予測している。

これまでにCyclone Roboticsはハイパーオートメーションのライフサイクル全体をカバーするサービスをリリースしてきた。AIやRPA、CoE(組織の中核となる部署や研究拠点)、プロセスマイニングなどのプロダクトのほか、業界向けソリューションを手がけている。実際の導入に際しては、プロダクトそのもの以外に情報提供から導入までのRPAソリューションを提供している。また大手コンサルティングファームや技術エコシステムの提携企業、ITインテグレーターなどのチャネルパートナーを通じて、RPAの技術サポートを提供する。

36Krが昨年に取材した際、同社はここ数年の事業成長率が年間300%以上をキープしていることや、すでに海外市場にも進出し、東南アジアや欧州、中東、北米で事業を展開していることを明らかにしている。

現在、Cyclone Roboticsは主に大・中規模企業にサービスを提供しており、多数の大手取引先を獲得してきた。国営企業の国家電網(ステートグリッド)や中国郵政(China Post)、中国海洋石油(CNOOC)のほか、仏大手銀行ソシエテ・ジェネラル、自動車大手ボルボを含む国内外1000社余りがサービスを利用しており、業種も金融、エネルギー、Eコマース、小売、医療、行政、製造業など幅広い。

AI時代のRPA、大規模言語モデルを活用

今年、ChatGPTに代表されるAIブームが到来し、AIが有するようになった高度な理解力と生成能力はRPAなどのハイパーオートメーション技術と非常に相性のいいことが明らかになってきた。Cyclone Roboticsは生成AIを活用した次世代の企業向けオートメーションプロダクトをリリースした。これは大規模言語モデルとRPAを高度に組み合わせたもので、IT分野の成熟度がそれぞれ異なる顧客のニーズにも対応できる。

今回の資金調達後、生成AIを活用したオートメーションプラットフォームが間もなく大手企業の実務現場に導入されることになっている。消費者向けと法人向けの双方をカバーする有用な「デジタルアシスタント」の提供に今後も注力していくという。

(翻訳・畠中裕子)

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