コーヒーチェーンの店舗数 ガソリン大手・中国石油化工がluckin coffeeを上回る可能性

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コーヒーチェーンの店舗数 ガソリン大手・中国石油化工がluckin coffeeを上回る可能性

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中国国有石油企業大手の「中国石油化工集団(シノペック)」は、ガソリンのみならず、コーヒーの販売も開始した。

9月3日、シノペック傘下の小売り事業「易捷(easy joy)」はコーヒーチェーン「連咖啡(Coffee Box)」と提携し、新しいコーヒー小売りブランド「易捷咖啡(easy joy coffee)」を立ち上げた。最初の店舗は蘇州店で、「デリバリー+店舗販売」の方式になっている。現在、ガソリンの種類の番号にちなんだ「92号」、「95 号」、「98号」という3種類の商品がある。コーヒー購入専用アプリもローンチされ、定価は12元(約280円)~28元(約420円)で、コーヒー、お茶、ジュース類がある。

易捷咖啡の注文HP

易捷は現在中国でのコンビニ最大手。中国フランチャイズ協会が公表している2018年度中国コンビニエンスストアトップ100のリストによると、シノペック傘下の易捷は全国で27259店舗あり、同じくシノペック傘下のコンビニチェーン「崑崙好客(uSmile)」より、19700店舗多い。広東省発のコンビニチェーン「美宜佳(meiyijia)」が第三位で、店舗数は15559。第四位は「蘇寧小店(Suning Xiaodian)」で、わずか4508店舗だ。都市部で馴染みがあるセブンーイレブンとファミリーマートはそれぞれ第7位と第10位にとどまっている。

通常、コンビニは店舗家賃や立地選択という悩みを抱えるが、易捷にそのような悩みはない。シノペックの3万余りのガソリンスタンドに併設され、オフラインでガソリン給油カードを持っている8000万人ものユーザーがいる。また、オンラインでは、SNSアプリ「Wechat」の公式アカウントに8000万人のフォロアーがいる。ガソリンスタンドの1日あたりの利用者数は延べ2000万人で、この人たちは、利用頻度が比較的高い中高所得層で、1億人近くの規模があると想定される。2015年~2017年、易捷の売上高の増加率は毎年40%以上に達している。

また、消費のレベルアップに伴い、コーヒーチェーン「瑞幸咖啡(luckin coffee)」のようなベンチャー企業によりコーヒー文化が培われ、挽きたてコーヒーのマーケットもポテンシャルがでてきた。研究データによると、コーヒー消費の構造は、中国では、インスタントコーヒーの消費が全体の80%を占め、挽きたてコーヒーの割合は16%しかない。一方、海外の市場は正反対で、挽きたてコーヒーの消費割合は87%に達している。1人当たりのコーヒー消費量は、2018年はドイツが867.4杯、米国が388.3杯だったのに比べ、中国本土は平均で6.2杯だ。挽きたてコーヒーの場合は、1人あたりの年間消費量がたったの1.6杯だ。コーヒーマーケットが成熟した国と比べ、中国のコーヒー消費の頻度にはまだ向上の余地がある。

よって、2018年の瑞幸との連携といい、今回の自社ブランドの創立といい「易捷咖啡」は良いタイミングに市場に参入したと言える。

都市部のサラリーマン向けの瑞幸やファミリーマートと比べ、ガソリンスタンド内に併設する易捷のコンビニは、郊外までカバーでき、消費者の範囲がより広くなっている。レッドブルやお茶などを飲むトラック運転手や増え続ける車で旅行に行く観光客らもターゲットになっているため、易捷は商品も価格帯の設定もバラエティに富んでいる。

シノペックにとって、コーヒーの販売もコンビニの運営もガソリン以外の事業を推進するための事業だ。易捷は2008年に設立され、ガソリン以外の分野への進出を始めた。2014年からスタートしたシノペックの改革(民間投資を導入し、国と民間による共同投資を実現するための改革)以降、易捷の成長はより迅速になり、グループ全体の小売り事業をリードしている。中国の大手スーパーや物流会社、またECサイトの「京東(jd.com)」、アリババ等と提携し、サプライチェーン、物流、ECシステムの整備に注力している。
また、シノペックにガソリン以外の事業を積極的に進めさせる原動力の1つとして、財務データの不調がある。2019年上半期、営業利益は492億元(約7400億円)で、前年同期比で27.6%減となり、純利益は313億元(約4700億円)で、前年同期比で24.7%減となった。また、民営の大手ガソリンスタンドの成長が速く、外資の大手ガソリン企業も少しずつ中国市場に参入し始めていることもあり、シノペックは危機感を抱いている。

より多くの分野で利益を確保することがシノペックの最大の課題となっているため、ガソリン以外の事業が新しい成長の原動力となっている。一部報道によると、海外のガソリンスタンドでは、ガソリン以外の事業の粗利率への貢献率が30%~60%なのと比べ、ほとんどの中国国内ガソリンスタンドの同指標は5%~10%に過ぎない。

ガソリン以外の事業の重要性について、2014年、シノペックの当時の董事長傅成玉氏は、年度会議で「将来はガソリンスタンドでの給油は無料になる可能性がある」と予言した。将来、ガソリン以外の事業規模がガソリン販売を超え、消費者がガソリン以外の買い物で獲得したポイントで給油もしくは現金化が可能になり、無料での給油が実現できるかもしれないという。

今後は易捷で水やコーヒー等を買って溜まったポイントでガソリンが買えるようになるかもしれない。

タイトルの図の出所:シノペックのWeibo公式アカウント
(翻訳:小六)

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