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シャオミ(小米科技)が二機種目となる5Gスマホ「Mi 9 Pro 5G」をまもなく発売することがわかった。国内では初の5G対応機となるが、5Gスマホが続々と発表されるであろう今年下半期に、シャオミが最大のセールスポイントとして推し出したのがワイヤレス急速充電だ。
Mi 9 Pro 5Gは、急速ケーブル充電、急速ワイヤレス充電、ワイヤレス逆充電(リバースチャージ)の3種類の充電方式に対応。シャオミの副総裁で技術委員会主席の崔宝秋氏は、40Wワイヤレス急速充電もすでに試験段階に進んでいることを明らかにした。
一機種目の5Gスマホ最大の問題点は、バッテリーの消耗が早すぎるという点だった。中国の半導体大手「紫光展鋭(UNISOC)」マーケティング部で高級副総裁を務める周晨氏によると、5Gと4Gの周波数利用効率はほぼ差がなく、5Gが通信速度を上げたのは帯域幅を拡大したことによるため、バッテリーの消耗が早くなったという。この問題はソフト・ハードウェアの改良で段階的に改善可能だが、技術のアップデートには時間がかかるため、第2~3世代機種の登場を待つ必要がある。
バッテリー技術にも大幅な進歩がない中でも駆動時間の短縮という欠点を補うべく、今回の5Gスマホでは急速充電という策が取られたわけだ。
同様に、vivoが8月にリリースした「iQOO Pro 5G」やファーウェイの「Mate 20 X(5G)」でも急速充電が目玉となっている。
ただし、vivoとファーウェイのスマホはケーブル充電を主としている。iQOO Pro 5Gのケーブル充電の出力は44Wで、ワイヤレス充電には対応していない。またMate 20 X 5Gのケーブル充電の出力は40Wで、ワイヤレス充電の出力は25Wだ。
急速充電が5Gスマホの標準装備となってきていることは間違いない。とはいえ、ワイヤレス充電は便利な技術である一方で充電に時間がかかり、実用面で難がある。ワイヤレス充電が急速充電のスタンダードとなる可能性はあるだろうか。
崔氏によれば、今回発表となった30Wワイヤレス充電の充電速度は27Wケーブル充電を超えており、正式に実用段階に入ったという。現在のほとんどの主力4Gフラッグシップ機種では、ケーブル充電の出力は20W前後だ。シャオミのデータによれば、30Wワイヤレス充電で容量4000mAhのバッテリーを充電した場合、25分で50%、69分で100%の充電が可能だという。
ただし、30Wワイヤレス充電が広範囲に普及した際のユーザー側の受容度と利用度については、一定の観察期間が必要だ。
シャオミは二つのワイヤレス充電デバイスも発表した。空冷式ワイヤレス充電スタンドは、スマホを充電しながらスムーズに画面を操作できる。また自動トレース式ワイヤレス充電器では、充電の際に送電コイルと受動コイルの位置合わせが難しい点を解決するため、スマホを置いた位置を自動検出し、送電コイルの位置が調整される。
これまでの状況を振り返ると、シャオミはワイヤレス充電分野で急成長を遂げてきたといえる。「MIX 2S」は国産ブランドとして初めてワイヤレス充電に対応し、また同時リリースされたワイヤレス充電器の発売額はわずか99元(約1500円)で、ワイヤレス充電を一気に身近なものへと引き上げた。「Mi 9」の20Wワイヤレス急速充電は、現時点でも業界内で最高レベルのソリューションといえる。同社は今後、モビリティ、飲食、宿泊などの分野で各社パートナーと連携し、ワイヤレス充電をあらゆるシーンに普及させていく計画だ。
(翻訳・神部明果)
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