中国家電最大手の「美的」、香港上場を申請 海外売上高比率50%に引き上げ

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東芝の白物家電事業を買収した中国家電最大手の「美的集団(Midea Group)」が香港証券取引所メインボードへの上場を申請した。香港証取が10月24日に明らかにした。

美的集団は世界をリードするテックグループで、現在は中国のA株市場に上場している。消費者向けのスマートホーム家電や各種家電のほか、法人向けに新エネルギー、産業技術、スマート建築技術、ロボット、オートメーションおよびイノベーション業務といったソリューションも提供する。

2022年の販売実績と売上高でみると、同社は世界最大の家電メーカーだ。家庭用のエアコンや電子レンジなど6つのカテゴリーで、中国本土のオンラインおよび実店舗のいずれも販売台数1位を獲得した。生産台数では、家電用コンプレッサー事業が世界一だった。家庭用エアコンのコンプレッサーも生産台数が世界一で、グローバル市場でのシェアは44%になる。同社は22年の売上高が中国本土で最高、世界でもトップ5に入るエアコンメーカーだ。

同社傘下の「KUKA(クーカ)」グループは産業ロボット分野の世界四大メーカーの一つで、重荷重ロボットの販売台数は2022年に世界第2位だった。美的が17年にKUKAグループを買収してから中国事業が急成長し、22年の売上高は過去最高を記録、KUKA中国はKUKAグループ全体の成長に大きく貢献した。KUKAグループ全体の売上高に対するKUKA中国の寄与度は20年の15.0%から22年には22.2%に上昇した。

家電業界は近年飽和状態を迎えているため、美的は企業向けの業務拡大に力を入れている。今年上半期の売上高は前年同期比7.69%増の1978億元(約4兆円)、親会社株主に帰属する当期純利益が同13.98%増の182億元(約3800億円)だった。このうち、産業技術、ビル関連サービス技術、ロボットやオートメーションなどの企業向け事業の売上高は2桁成長を記録している。このほか蓄電システムなどの新事業も始めており、同社の成長エンジンとなることが期待されている。

美的の香港上場は海外市場の開拓や知名度の向上にプラスに働くと、業界関係者はみている。美的は近年海外事業の拡大に力を入れており、海外売上高比率は安定して40%前後を維持しているが、将来的には50%にまで引き上げる計画だ。美的集団会長兼総裁の方洪波氏によると、美的は今後海外の研究開発部門やローカライゼーションを強化していく方針で、米国の研究開発センターの規模を拡大するほか、日本およびドイツの研究開発センターを整備する計画だという。

(翻訳・36Kr Japan編集部)

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