日本取引所グループ、東南アジア企業に向けて日本でのIPOをアピール

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世界経済が不透明な中、相対的に安定的な政治経済や歴史的な円安の影響により、投資家やグローバル企業から日本市場に注目が集まっている。

一方、東南アジアでは、スタートアップ・エコシステムが成熟し、ユニコーンも数多く現れてきており、日本でのIPO(新規株式公開)を提示する素地も整いつつあるようだ。

2023年10月16日に、三菱UFJ信託銀行、アンダーソン・毛利・友常法律事務所、日本取引所グループ(JPX)はシンガポールで、「海外企業の日本におけるIPO」をテーマとしたセミナーを東南アジアの企業やベンチャーキャピタル向けに開催した。

東京証券取引所(以下、東証)シンガポール支店長の吉松和彦氏は、東南アジア地域に対する期待と関心に焦点をあてて講演を行った。

「成長が見込まれる東南アジアのスタートアップは、日本の投資家にとって魅力的な投資対象となっている。なぜかといえば、海外にビジネスチャンスを求める日本の上場企業にとって、海外スタートアップの技術力や顧客基盤は、潜在的なビジネス連携の可能性を感じさせるからだ。東証は、東南アジアのスタートアップに成長資金を提供すると同時に、日本企業の国際的なプレゼンスを高めるためのビジネスコラボレーションを促進することで、アジア地域の成長に貢献することを目指している」と語った。

2016年にシンガポールで設立されたAnyMind Groupは、東南アジアをはじめとしたグローバルでの事業成長が評価され、今年、東証への上場を成功させた。

同社の十河宏輔CEOは、日本での上場を検討しているスタートアップ企業にとって重要なステップのひとつは、「日本でストーリーを構築する」ことだと説明した。つまり、日本の投資家、顧客に目を向け、また現地にも拠点を置き、日本における企業の物語を作っていくということだという。さらに、コーポレート・ガバナンスやコンプライアンスに関する分野は、企業がIPOの計画を検討し始めた時点で、あるいはそれよりも早い段階から準備する必要があると強調した。

十河氏は「日本取引所グループは、上場を目指す海外のスタートアップに対してよりオープンになりつつあり、シンガポールやその他の地域の企業が将来的に日本でIPOを目指す機会も増えると思う」と期待を述べている。

今回のセミナーには、50名以上の現地スタートアップ経営者やVC機関が参加しており、日本市場の理解を深めようと熱心に聞いている様子だった。

(翻訳・編集:36Kr Japan編集部)

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