中国スマホ大手・シャオミ、初のEVは大型セダン 強豪ひしめく業界でチャンスはあるのか

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中国スマートフォン・IoT機器大手シャオミ(小米集団)が自動車事業の計画を発表してから32カ月、ついに「小米汽車」の電気自動車(EV)が明らかになった。

中国工業情報化部が15日に公示した第377回「道路自動車生産企業および製品公告」の中に、小米ブランドのEVが2モデル含まれていた。以前の報道では小米汽車が北京市亦荘にある自社工場で自動車を製造する計画だと伝えられていたが、実際の製造者は北京汽車(BAIC)傘下の北汽越野車となっている。

シャオミにとって最初のEVはセダンタイプの「SU7」で、ローエンドモデルのSU7とハイエンドモデルの「SU7 MAX」のラインナップが計画されている。

公開された画像では、SU7はポルシェの「Taycan(タイカン)」とテスラの「Model 3」を合わせたような外観で、シンプルで滑らかなラインのスポーティなスタイルとなっている。スペックの面でも性能を重視した大型セダンのようだ。

シャオミの2モデルはどちらも5人乗りで、ホイールベースが3000mmと、タイカンよりも大きい。SU7 MAXは全長4997mm、全幅1963mm、全高1440mm、車両総重量2655kgで、LiDARを標準搭載。SU7はSU7 MAXに比べて全高が15mm高い一方、総重量は225kg軽く、LiDARは標準装備ではない。

SU7のバッテリーはEV大手・比亜迪(BYD)傘下の弗迪電池(FineDreams Battery)のリン酸鉄リチウムイオン電池を採用し、シングルモーターでモーター出力は最大220キロワット、最高時速は210キロに上る。SU7 MAXは車載電池大手・寧徳時代(CATL)の三元系リチウムイオン電池を搭載し、デュアルモーターでモーター出力は前輪が最大220キロワット、後輪が最大275キロワット、最高時速は265キロに達する。

サイズとスペックからして、価格はそれほど低くならないことが予想される。このEVには中・高級ブランドを目指す雷軍CEOの野望が託されている。

EV製造事業に参入して500日 中国スマホ大手シャオミの現在地は

過去の報道では、小米汽車は発売から3年間で販売台数100万台を目指すと伝えられていた。この強気な目標は、コストパフォーマンスに優れた目玉車種でもない限り、多くのファンを抱えるシャオミの巨大なトラフィックをもってしても実現するのは難しいだろう。しかし、小米汽車はレンジエクステンダーEVの開発を計画するなど、市場をさらに広げることも考えているという。

中国のEV業界にはすでに複数の強豪が存在する。テスラやBYDなど世界的王者の後を中国の蔚来汽車(NIO)、小鵬汽車(XPeng Motors)、理想汽車(Li Auto)を始めとする新興メーカーが追うほか、華為(ファーウェイ)が関わるブランド「問界(AITO)」も今年に入って勢いをつけてきた。中国で大きく成長したスマホ市場において熱狂的なユーザーを増やしてきたシャオミだが、そのブランドイメージ、サプライチェーン、チャネルなどの強みをフル活用しても、並み居る強敵を撃破できるかはまだ分からない。

中国シャオミの自動車事業、レンジエクステンダーEVの開発を計画

(翻訳・大谷晶洋)

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