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ショート動画共有アプリ「TikTok(抖音)」に、このほど「日払い」機能が登場した。個人ライバー(動画配信者)も所属ライバーも毎日、ライブ配信が終わると収益の清算をすることができる。
「日払い」機能では、ライブの配信回数に基づいてリアルタイムでライバーの収益を清算し、ライブが終わるとライバーの取り分がすぐにキャッシュで支払われる。清算されるのはユーザーからの投げ銭による収益のみで、その他の収益は次月10日に清算される。
ライバー側の取り分はプロダクションによって決定される。プロダクションは一定の割合に基づいてライバーの収益を算定し、ライバーが当日プラットフォームから支払われる取り分をすぐにキャッシュで受け取れるようにする。プロダクションとTikTokプラットフォームとの間でも別途、互いの取り分が設定される。
コンテンツのエコシステムを拡充したいTikTokにとって、日払い機能の追加は間違いなくより多くのライバーを定着させる優れた手段となるだろう。ライバーからすれば、取り分が毎日振り込まれてキャッシュ化されるのを見るのは、月末締めよりもずっとリアルだ。ただ、TikTokでのライブ機能の登場は、競合他社であるショート動画共有アプリ「快手(Kwai)」に出遅れただけでなく、レコメンドロジックも異なる。TikTokはアルゴリズムによってエンゲージメント率の高いユーザーの露出が増えるようになっているため、一般のライバーにとってはフォロワーを確保する上で不利であり、これはTikTokの弱点でもある。日払い機能はライバーを引き寄せる点である程度貢献し、日々取り分が支払われることはライバーがコンテンツを拡充するモチベーションとなるだろう。
プロダクションとライバーの話では、日払い機能の登場により、プロダクションに対するライバーの信頼が増したという。プロダクションと言うより、むしろプラットフォームへの信頼が増したと言える。日払い機能の導入で、ライバーに対する支払い滞納リスクを軽減することができる。以前は、プロダクションがライバーへのギャラの支払いを滞納したというニュースが少なくなかった。しかし、プロダクションにとってはライバーの管理が難しくなるというデメリットもある。これまでずっとプロダクションとライバーの関係は脆弱で、ライバーが他社へ鞍替えすることも多々あった。このような状況に対応するため、現在プロダクションは高額の違約金や罰金などを規定することにより、ライバーに対する管理を強化している。
現在、ショート動画サイトやライブプラットフォームで、日払い機能の使用が可能なのはTikTokだけであり、その効果が如何ほどかは時が経過してみないと分からない。ショート動画サイト間の競争はまだ決着がついておらず、日払い機能の追加はTikTokが市場シェアを奪う上で新たな武器となることだろう。
(翻訳・虎野)
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