ラストワンマイル配送の「UniUni」が約30億円の資金調達 北米市場でシェア拡大

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ラストワンマイル配送の「UniUni」が約30億円の資金調達 北米市場でシェア拡大

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北米地域で、商品を物流の最終拠点から消費者の手に届ける「ラストワンマイル配送」を手掛ける「UniUni」がシリーズB2で2000万ドル(約30億円)を調達した。元璟資本(Vision Plus Capital)と復星鋭正(Fosun RZ Capital)がリードインベスターを務め、藍馳創投(BlueRun Ventures)やカナダのCeltic House Venture Partners、清波資本(Lake Bleu capital)等も参加した。

UniUniの創業者でCEOのPeter Lu氏は、今回の資金をラストワンマイル物流網の整備と巨大物流センターの自動化に充て、荷物発送の自動化とデジタル化の能力をさらに高めるほか、速やかに荷物取扱量を1日当たり100万件程度にまで増やし、米国市場におけるシェアを拡大したいとした。

UniUniは2019年設立、画期的なクラウドソーシング型サービスで急速に市場を拡大してきた。密な配送ネットワークを形成するとともに、デジタル化サービスシステムと規格化したサービスフローを徐々に整備し、米アマゾンのほかEbay、SHEIN、Temu、TikTokなど有力ECプラットフォームに向けて、高品質で規格化したラストワンマイル配送や関連サービスを提供する。

北米は世界最大規模のEC市場だ。独市場調査会社Statistaによると、その市場規模は2022年に9440億ドル(約137兆円)となり、27年には1兆7000億ドル(約247兆円)、年平均成長率(CAGR)は14.3%に達すると予測されている。22年時点でシェア37.8%の王者アマゾンによる一極支配の構図が出来上がっている。

ECの要となる物流部分では、世界の3PL(サードパーティーロジスティクス)市場のうち北米市場が4分の1を占める。米国とカナダでは荷物取扱量が1日当たりそれぞれ8000万個と560万個を超え、市場規模はそれぞれ1800億ドル(約26兆円)と130億ドル(約1兆9000億円)を上回る。

UniUni提供

この巨大な物流市場で、地元の物流大手は高単価で効率の良い法人向けサービスを手がけ、資金を投じて幹線物流を構築するスキルに長けている。しかしECには高いコストパフォーマンスが求められ、消費者とのスピーディなコミュニケーションや機敏な配送などを含めラストワンマイルに必要とされるサービスでは十分に顧客の満足を得られていない。UniUniはこうした問題点に目をつけ、インターネットと物流を組み合わせたクラウドソーシング物流という画期的なモデルで市場に参入、高度な技術に加え保有資産と従業員を抑えることでコストを削減し、大規模化を実現した。そしてビッグデータを使って完全なSOP(標準作業手順書)とデータシステムを構築、北米の重点地域でロボットによる仕分け作業を取り入れた超大型物流センターを次々に開設し、荷物の1日当たり処理量が急激に増加した。

現在UniUniは契約ドライバー1万2000人を抱え、北米の15州、200以上の都市に暮らす1億人以上にサービスを提供している。今後3年から5年のうちに、荷物取扱量を1日当たり500万個もしくはそれ以上とし、越境ECや現地ECプラットフォームのユーザーを広く対象とする国際デジタル物流グループとなることを目指している。

Lu氏は36Krに対し「越境ECの中型・小型荷物の配送ネットワークを構築し、さらに高品質で低価格という強みを生かして現地のユーザーを取り込む。現在北米には3種類の仕分けセンターが50カ所以上あり、集荷ネットワークも構築、荷物発送量はすでに1日当たり30万個を超えた。急速に規模を拡大できる再現能力があり、カナダの主要都市では即日配送を実現している」と述べた。

UniUni提供

Lu氏は上海交通大学でコンピューターを専門に学び、マイクロソフトやオラクルなどのIT大手企業の認定エキスパートを務め、スウェーデンの通信機器メーカー、エリクソン(Ericsson)や香港通信大手のPCCW(電訊盈科)などでも開発業務に携わった。UniUniは自動化やデジタル化に向け資金投入を続けており、それが将来の勢力図を左右する競争力になると考えている。コア技術は全て自社開発したほか、革新的な物流技術を開発した北米企業を積極的に買収し、情報技術のアップデートやシステム対応力の強化に努めている。

数人のチームで発足したUniUniは4年余りで従業員が300人を超え、契約ドライバー1万2000人超、北米市場における荷物取扱量が1日当たり30万個を超える未来のユニコーンにまで成長した。メンバーの中には雲途物流(YunExpress)、J&Tエクスプレス(極兎速逓)、順豊控股(SFホールディング)、京東物流(JD Logistics)、4PX EXPRESS(逓四方速逓)などの大手物流企業のマーケティングや運営分野の幹部経験者も多く含まれている。

※2024年1月4日時点のレート(1ドル=145円)で計算しています

(翻訳・36Kr Japan編集部)

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