インテルとテンセントが提携、5Gがゲーム産業にもたらす変化を展望

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インテルとテンセントが提携、5Gがゲーム産業にもたらす変化を展望

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「テンセントゲーム開発者大会(TGDC)」は、「騰訊遊戲学院(テンセントゲームインスティチュート)」が主催するゲーム開発関係者向け年次イベントだ。今年のTGDCは2019年9月21-22日に深圳で行われ、インテル中国のプロバイダー事業部総経理・葉唯琛氏が講演した。抜粋は以下の通り。

5Gの特徴と実用化

5Gと4Gの大きな違いは、低遅延、広い帯域幅、高通信速度にある。

ゲームにおいて、5Gによる変革はすぐに完全に実現できるわけではない。例えば、5GならVR端末で4Kや8K映像を提供できるが、現在のVR端末はあまりにも大きく、重い。数年後、5Gのユーザーが増えれば、端末も軽くなってくるだろう。

中国の3大通信キャリアはすでに主要都市で5G基地局を建設している。中国移動(チャイナモバイル」は今年240億元(約3600億円)を投資し、50都市で5万カ所の基地局を設置する。中国電信(チャイナテレコム)と中国聯通(チャイナユニコム)はそれぞれ4万カ所の予定だ。一部報道によれば、チャイナテレコムとチャイナユニコムは2社で基地局を共有する計画もあるという。

中国は来年世界最大の5G市場になる。チャイナモバイルはすべての地方都市に基地局を設置し、浸透率をさらに高めていく予定だ。

5Gの遅延と解決策

次に、クラウドの話をしたい。すでに多くのアプリがクラウドを利用するようになり、「騰訊遊戲(テンセントゲームズ)」のビッグデータセンターはクラウドそのものだ。センターはユーザーと数百キロ、数千キロ離れている可能性があり、その間でのデータの送信、交換、制御などすべてに遅延が生じる。

そのため、5Gに関しては遅延の問題を解決しなければならない。現在使われている解決策の一つは、「エッジ・コンピューティング」と呼ばれるものだ。これは次の2つに分けることができる。

まず、例えて言うならば、テンセントの自社ビルにあるデータは、テンセントにとってのエッジとなる。これをローカルエッジと呼ぶ。

次に、通信キャリアにとってのエッジだ。ユーザーが深圳と陸続きの蛇口という街にいるとしよう。通信キャリアが深圳にデータセンターを持てば、遠隔地からデータ送信するのと比べ早くなる。そのため、通信キャリアはできるだけデータをエッジに置こうとする。

エッジデータセンターがあれば、データ送信の遅延を減らせるだけでなく、ユーザーの所在地に応じて計算、保存、資源の配分を最適化できる。

クラウドゲームの価値、課題と解決策

5Gとゲーム産業の出会いによって誕生した重要なものの一つがクラウドゲームだ。ゲーム産業のなかでも非常に魅力的なトピックだ。

クラウドゲームとは、モバイル端末や、軽量・低スペックのパソコンでも、クラウドを使って遊べるゲームのことだ。クラウドゲームの大きな利点は、主な計算をすべてクラウドで行うため、端末の計算力をあまり必要としないことだ。端末の互換性の課題も克服できる。

しかし、前述のように、端末とクラウドの通信の遅延がすこぶる重大な課題だ。それを解決するために、5Gのエッジコンピューティングやエッジクラウドが必要になる。

5Gを語るとき、ゲーム開発者としては、クラウドとネットワークのことを視野に入れながら、5Gの実用化を早めていくように考えなければならない。つまり、ゲームを動かす環境はどこかを考えて開発しなければならないということだ。

映像のクラウド

最後に、ゲーム以外の5Gの実用化についてお話ししたい。5Gは様々な産業において可能性がある。例えば自動運転だ。自動運転における遅延は単に顧客体験が落ちるというレベルの話ではなく、人命に関わる。そのため、データ交換が非常に優れた形でなければならず、遅延性を最小限にまで抑えることが必要だ。

また、映像のクラウドというものがある。映像の処理と配信だ。

今年4月のチャイナユニコム開発者大会で、インテルは映像におけるクラウド技術を使ったVR映像を展示した。ユーザーはスポーツ選手と全く同じ目線で、スキー競技を体感できる。今後エッジクラウドが進展すれば、映像のクラウドでスポーツ競技を視聴したほうが、会場にいるよりもさらにスペクタクルなものになるだろう。

インテルとテンセントの提携

テンセントとインテルは緊密な関係を持つパートナーだ。私たちは共同で研究室を立ち上げ、その一つが「騰訊遊戯聯合実験室」というものだ。パソコンゲームを端末側でいかにクオリティを向上させ、アクセラレーションできるかを研究し、またAI、Eスポーツなどで協力を展開する可能性も模索している。

もう一つの共同事業が、エッジデータセンターまたはエッジクラウドと呼ぶべきもので、私たちはこれを「MEC」と呼ぶ。この分野の共同研究室は、エッジ・コンピューティングの実用化を目指すものだ。インテルは計算、保存、ゲームと映像のアクセラレーションでテンセントと提携しており、映像のレンダリングにおける技術支援をしている。
(翻訳:小六)

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