「何もしない」戦略で業績伸ばした美団点評、初の黒字化

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「何もしない」戦略で業績伸ばした美団点評、初の黒字化

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生活関連O2Oサービス企業「美団点評(Meituan Dianping)」が事業戦略の転換を図っている。補助金制度や新業務への取り組みを縮小することで赤字を抑えようとしており、何を行うにしても慎重な姿勢を示している。

美団はなぜかつての勢いを抑える方向に舵を切ったのか?

時価総額は伸び悩むも、業績は好調

中国の大手インターネット企業の序列に変化が起きている。

美団の株価は昨年9月の上場以来、おおむね公開価格を下回る展開だったが、今年6月から上昇基調に転じ、第2四半期の業績が予想を超えてからは上げを加速。ハンセン指数が低調に推移する中、逆行高を演じ、時価総額は上場来最高値となる4414億香港ドル(約6兆円)に達した。

興味深いのは、上場後の変動が大きかった株価に対し、時価総額はあまり変化していないことだ。インターネット上場企業の時価総額ランキングは上位3位がアリババ、テンセント、美団、4~6位に京東(JD.com)、「拼多多(Pinduoduo)」、バイドゥ(百度)が続く。

美団上場から1年後のインターネット大手各社の時価総額(単位:億ドル)36Kr作成

上記のデータを見ると、美団の上場から1年後の各社の時価総額は、テンセントと美団の動きが最も小さく、京東が最も大きく伸びた。半面、バイドゥは大幅に縮小した。これら4社を並べて比較すると、美団は時価総額の伸びが1番小さいが、業績は最も好調だった。一体、なぜか?

まず、ECの老舗銘柄を見ると、京東は劉強東CEOの女性への性的暴行疑惑に加え、2四半期連続で業績が振るわず、株価が一時、大幅に下落したものの、現在は正常な水準に戻している。アリババは安定した事業展開が奏功し、伸び率は美団の2倍となり、ECの兄貴分として貫録を示している。

さらにECの新興銘柄を見ると、拼多多が最も健闘している。巨額の補助金を惜しみなく投じて成長を遂げると同時に、上場先の米国市場でも認められ、時価総額は最高値を更新し続けている。一方、美団は流通市場の新規参入者ならではの勢いには欠けるが、一時は急落した株価も、上場1年後にはほぼ元の水準に戻している。

美団は幸運なことに、「ほぼ何もしなかった」ことが奏功した。時価総額はインターネット業界の4位から3位に浮上。美団の「動かずに待つ」戦略が、アリババと拼多多が激しいせめぎ合いで消耗していく中、自社にかかる圧力を軽減した。

とはいえ、実のところ「変わらない」状態を維持するため、美団もかなりパワーを使っている。

安定を求めるだけでよいのか?

美団は依然、敵に囲まれている状態だが、上場当時のような勢いは失くしている。中核事業のフードデリバリ-で、同業大手の「餓了麼(Ele.me)」とかつては大っぴらな競争を繰り広げたが、今では餓了麼の猛攻に表立って反応を示さず、より秘密裡に反撃に出ようとしている。

その一例は、美団が餓了麼との補助金合戦から手を引くことを発表したことだ。同社の王興CEOは第1四半期決算報告時に、このような方法は持続不可能で、一旦キャンペーンが終わると注文はすぐに減ると語った。美団は18年下期に新たなプロモーションとして既存ユーザーをつなぎとめるための会員制度を設けた。この制度のおかげで、月間アクティブユーザーによる平均購入頻度は一般ユーザーの3倍以上になった。そして直近の第2四半期(4~6月)決算で、純利益は15億元(約225億円)に達し、初めて黒字化を実現した。好調の要因は主にフードデリバリー事業によるもので、新規事業の赤字縮小も貢献した。

美団、アリババの決算報告を基に36krが作成

第2四半期の決算報告によると、美団のフードデリバリ-事業の売上高はアリババに倍の差をつけたものの、伸び率は引き続き鈍化傾向がみられた。業界の高度成長期はすでに終わっており、美団が安定路線に舵を切るのも分からないわけではない。しかし、新規事業に対しても同じ戦略で臨もうとするのは理にかなっているとは言えない。新たな物語を紡ぐには、様々な経験が必要だろう。
(翻訳・虎野)

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