四足歩行ロボット販売で世界トップ、中国「Unitree」が200億円調達 ヒト型ロボットの量産も

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四足歩行ロボット販売で世界トップ、中国「Unitree」が200億円調達 ヒト型ロボットの量産も

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ロボット開発を手掛ける中国のスタートアップ企業「宇樹科技(Unitree Robotics)」がシリーズB2で約10億元(約200億円)を調達した。中国生活関連サービス最大手の美団(Meituan)や金石投資(GoldStone Investment)、源碼資本(Source Code Capital)などが参加した。

Unitreeは2016年に設立された。創業者の王興興氏は、大学院在籍中にドローン用のディスク型ブラシレスモーターを改造し、それに合わせた小型のモータードライバーを開発。これらをもとに全体構造と制御アルゴリズムを研究し、独自設計による第一号の製品「XDog」を開発した。当時、米ボストン・ダイナミクスのロボットが高額な油圧駆動を使用したのとは異なり、XDogは純粋な電気駆動方式を採用、世界でも低コストで高性能の歩行型ロボット開発の先駆けとなった。

Unitreeは現在、四足歩行型とヒト型のロボットを展開している。設立当初は四足歩行ロボットの開発に取り組み、「Go2」や「B2」、「Aliengo」など多くの製品をリリースした。2023年から新たに汎用ヒト型ロボットの開発プロジェクトを始動し、同年半ばに初のヒト型ロボット「H1」を定価9万ドル(約1300万円)以下で発売した。

CESの会場で展示されたヒト型ロボット「H1」

H1は走ることができるフルサイズのヒト型ロボットだ。360度のデプス検知能力を備えており、走行スピードは1.5m/s以上、本体重量は約47キロという。側面や後方から蹴られても、人間と同様にうまくバランスをとり、転ぶことはない。今年1月に開催された米テクノロジー見本市「CES」では、会場で実際にパフォーマンスをしてみせた唯一のヒト型ロボットで、すでに産業シーンでの実用化が進められている。

王氏によると、H1はすでに世界中の市場に投入され、2023年後半には小ロットでの量産、出荷を実現している。

Unitreeが製品開発から納品までを迅速に進められるのは、ロボット技術の積み重ねという優位性があるからだ。これまでの四足歩行ロボット開発の経験を生かし、H1の開発初期から製品の構造設計、電子回路や各種の製造工程はいずれも量産を想定して進められてきた。ヒト型ロボットの運動制御アルゴリズムなどは、四足歩行ロボット開発の経験を丸ごと手本にしているという。

新たなヒト型ロボットは主に、大学や研究所、テック企業、産業界で活用され、ロボット開発プラットフォームとして研究や実用化のために使用される。四足歩行ロボットは現在、消費者向けと法人向けの双方を手がけている。

例えば、Goシリーズの一部の製品は消費者向けだ。2023年に発表した四足歩行ロボット「Unitree Go2」は価格が9997元(約20万円)から、屋外で一緒に散歩し、ジョギングの伴走をすることもできる。リアルタイムの動画伝送やレーダーによる高度マップ表示機能を持ち、走行スピードは最高レベルのマラソンランナーに引けを取らない。さらに自社で開発した最新のAIを搭載し、大規模言語モデルを導入している。

四足歩行ロボット「Unitree Go2」

法人向けでは、産業シーンで使える大型の犬型ロボット「B2」がある。最大荷重100キログラム、連続走行荷重40キログラム以上で、農業やその他産業、セキュリティ分野、測量調査、救助活動といったシーンでの利用が可能だ。

Unitreeの製品は世界の四足歩行ロボット出荷量の60%以上を占め、累計販売量はトップだという。

スマートロボット分野におけるUnitreeのコア競争力は、技術開発の積み重ねと先発優位性にあると王氏は見ている。高エネルギー密度の関節バッテリーや減速器、3D LiDARなどロボットの核となるパーツだけでなく、検知能力や運動制御アルゴリズムも自社で研究開発している。

王氏は、AIと汎用ロボットの融合を進める研究を今後も続け、ロボットが家庭やビジネスシーンで価値を発揮できるようにしたいと考えている。

※2024年3月1日のレート(1元=約21円、 1ドル=約150円)で計算しています。

(翻訳・36Kr Japan編集部)

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